News

ウォームアップを全力で行うと疲れる?

2020.07.17

ウォームアップを全力で行うと疲れる? | 高校野球ドットコム
力を出し切って準備するというウォームアップの目的を忘れないようにしよう

 練習前に行うウォームアップの重要性は指導者をはじめ、選手の皆さんもよく知っていることと思います。ウォームアップなしで全体練習に入ることは、ケガのリスクを高めるばかりですし、実際にウォームアップが不十分なまま練習に参加して、肩や肘を痛めた経験のある選手も少なくないのではないでしょうか。とはいえ「ウォームアップだけで体がヘトヘトになってしまう」「全力で行うと疲れるのですが…」といった話を耳にすることもあります。まずはウォームアップがもつ本来の目的をしっかり再確認しましょう。

 ウォームアップは野球のメイン練習を行う時によりよいパフォーマンスで行えるようにすること、そして体に大きな負荷がかかったときにもケガを予防できるように準備することを目的としています。具体的にはジョギング、ストレッチなどで体温・筋温を上昇させて体の柔軟性を高めることや、心拍数と呼吸数を高めて循環器系の組織を刺激して血流をよくすること、ドリルなどで神経の働きをよくして目や耳、皮膚などの感覚器から得られる情報をうまく動作につなげられるようにすること、そしてメンタル面での準備として精神的なゆとりを持たせることなどが挙げられます。

 ところが運動量や運動強度がうまくコントロールできないと選手たちは「ウォームアップを行うだけで疲れてしまうから、体力の温存をしよう」ということにもなりかねません。ウォームアップとフィジカルトレーニングを組み合わせて行うケースもあると思いますが、どこまでがウォームアップで、どこからが競技に即したフィジカルトレーニングなのかを明確にすることが大切です。持っている体力を最大限に引き出すために行うはずのウォームアップが、体力を消耗させるだけのものになってしまっては本末転倒です。

 特にウォームアップ終盤ではダッシュなど、しっかりと自分の持てる力を発揮して全力で行うことが求められます。最大限の力発揮を行わないまま「本番では全力でやるから」と力を抜いてしまっては、本番においても全力を発揮することはむずかしいものです。今もてる力を出し切って準備するということを忘れずにウォームアップを行うようにしましょう。

文:西村 典子
球児必見の「セルフコンディショニングのススメ」も好評連載中!

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.01

大阪桐蔭、山梨学院、慶應義塾…強豪校・名門校の昨年度卒業生はどの進路を歩んだのか?【卒業生進路一覧】

2024.06.01

【愛知】報徳学園は豊橋中央にサヨナラ勝ち、豊川には黒星<招待試合>

2024.06.01

【東京六大学】早稲田大が大勝で7季ぶり優勝に大手!プロ注目スラッガー・吉納が2発、エース伊藤は8回1失点の快投見せる!

2024.06.02

福岡に逸材現る! ケガから復帰後即144キロ! 沖学園2年生エース・川畑秀輔に注目だ!

2024.06.01

センバツ出場の豊川がセンバツ準Vの報徳学園を破る!課題だった投手陣に手応え【愛知招待試合】

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.28

【鹿児島】鹿児島玉龍と樟南が8強へ<NHK旗>

2024.05.29

【宮崎】延岡学園と日章学園がともにタイブレークを制して4強入り<県選手権大会>

2024.05.28

【佐賀】佐賀商と龍谷が、ともにコールド勝ちで決勝へ<NHK杯>

2024.05.28

【鹿児島NHK選抜大会】錦江湾が1点差勝利!出水工の追い上げ、あと1点及ばず

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.19

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在30地区が決定、青森では青森山田、八戸学院光星がシード獲得