今年は特に要注意!熱中症対策を確認しよう
練習ができなかった時期を考慮し、今年は特に熱中症対策をしっかりと
外気温が高くなってくるとこれから気をつけたいものの一つに熱中症があります。今年はほとんどの部活動が休止になり、全体での練習が制限されてしまったため、体力レベルの低下が心配されます。
熱中症は一般的に、身体の体温調節がうまくいかなくなることを発端として起こる暑熱障害の総称を指します。よく知られているのは環境要因で、高温・多湿をはじめ、風の有無、閉め切った室内、急に暑くなった日などに熱中症のリスクは高まります。またこの他にも身体的な要因としては睡眠不足などによるコンディション不良、欠食などによるエネルギー源不足、さらには行動要因として長時間にわたる屋外での作業や激しい運動、適切な水分・塩分補給ができないといった条件にも注意が必要です。
こうした要因の中で、自分たちが管理(コントロール)できるものについては、チーム内で情報を共有して対応するようにしましょう。
《できること》
・日常生活では十分な睡眠を確保する
・必ず食事をとる(特に朝食)
・こまめに水分・塩分補給ができる練習環境を整える(コップなどは共有しない)
・室内での活動では定期的に換気を行う(温度・湿度を測るようにする)
・気温が高いとき、急に暑くなったときは練習内容や練習量などを考慮する
また暑さに体をならしておく「暑熱馴化(しょねつじゅんか)」もぜひ実践しておきましょう。暑熱馴化は1週間から10日ほどかけて完成するといわれています。基本的な対策としては適度に体を動かして汗をかき、汗腺の働きをよくすることです。練習では長袖のアンダーシャツなどを活用し、汗をかいたら着替えるように何枚か準備しておくと暑熱馴化とともに日焼け対策にもなります(日焼けによって皮膚が炎症を起こし、コンディションの低下にもつながるため)。
さらに運動だけではなく、生活習慣からも暑さになれることが大切です。入浴は湯船につかって体全体を温めることや、冷たいものを取り過ぎないこと(胃腸にも負担が増える)、室内で過ごすときにクーラーなどで過度に冷やしすぎないことなどを心がけましょう。
参考資料)
熱中症予防情報サイト(環境省)
https://www.wbgt.env.go.jp/doc_prevention.php
暑熱対策ガイドブック(日本スポーツ協会)
https://www.jpnsport.go.jp/jiss/Portals/0/jigyou/pdf/shonetsu_2-23pp.pdf
文:西村 典子
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