アスリートがおちいりやすい貧血とその原因

印刷する このエントリーをはてなブックマークに追加   
2020.01.14

スポーツ選手は体を動かし、汗によって鉄分などのミネラル分が失われやすい

 貧血とは血液中で酸素を運搬するヘモグロビン濃度が低い状態を指し、パフォーマンスの低下をもたらすことがあります。貧血にもいくつか種類がありますが、代表的な貧血として挙げられるのは鉄欠乏性貧血です。文字通り血液中の鉄分不足によって起こる貧血のことで、貧血全体の約7割がこの鉄欠乏性貧血だと言われています。

 貧血はどちらかといえば女性に多く見られる内科的疾患ですが、スポーツ選手に限っていえば男性にも見られます。体内の鉄分が不足する原因としては、

1)朝食を抜くといった欠食や、偏食などによって鉄分摂取量そのものが不足しているとき
2)激しい運動を続けたり、成長期などで鉄分の必要量が増加しているとき
3)鉄分の吸収率を高めるようなビタミンCが不足しているとき
4)血液のもととなるたんぱく質や造血に欠かせないB6、B12などのビタミン、葉酸などが不足しているとき
5)出血によって鉄分が失われているとき(胃潰瘍、潰瘍性大腸炎やクローン病など腸管からの出血、痔による出血、月経過多等)

などが挙げられます。特にスポーツ選手は日頃から激しく体を動かすため、大量の汗をかくことによって汗の中に含まれるミネラル分が失われ、鉄分も汗とともに体外へ排出されてしまうことが知られています。

 一般の人よりもたくさん汗をかくスポーツ選手は、より多くの鉄分が汗とともに失われますので、鉄欠乏性貧血を起こしやすいと考えられています。鉄分は吸収率の低い栄養素です。鉄欠乏性貧血を予防するためには、毎日の食事から鉄分が不足しないよう意識してとることが大切です。鉄分を含む食材だけではなくタンパク質やビタミンCを多く含む食材など、バランスのよい食事を続けることで鉄分不足を解消しましょう。

 貧血の兆候としてわかりやすいのは、疲れやすい、耳鳴りがする、動悸や息切れなどの自覚症状や、顔色が悪い(蒼白)といった他覚症状などですが、これは慢性疲労症候群(いわゆるオーバートレーニング)にも当てはまることが多いものです。

 上手くなるためには練習量を積み重ねることももちろん必要ですが、パフォーマンス低下の原因が貧血であると気づかなければ、さらに練習を重ね、汗をかいて鉄分を失うという悪循環に陥ることも考えられます。まずは医療機関で診察を受け、体調不良やパフォーマンスの低下の原因が貧血によるものかどうかを確認してもらうようにしましょう。

文:西村 典子
球児必見の「セルフコンディショニングのススメ」も好評連載中!

【関連記事】
体調を崩さないための生活習慣 【ニュース - ヘルスニュース】
マネージャーセミナー開催決定!~元東海大野球部トレーナー西村典子氏の限定セミナー情報~ 【ニュース - 高校野球関連】
第236回 自重トレーニングの強度を変える【セルフコンディショニングのススメ】
第236回 自宅でできる新年に向けたスタートダッシュ【セルフコンディショニングのススメ】
第234回 専門種目外のスポーツを取り入れよう【セルフコンディショニングのススメ】
第234回 オフシーズン中に見直したい!「肩のゆるみ」や「肩の不安感」【セルフコンディショニングのススメ】
第233回 腰痛と体幹トレーニング【セルフコンディショニングのススメ】
第880回 「休んだら終わり」からのモデルチェンジ 田中俊太選手(読売ジャイアンツ)【後編】 【2018年インタビュー】
第881回 「焦ったり力んでいるときこそ怪我をする」田中俊太選手(読売ジャイアンツ)【前編】 【2018年インタビュー】

コメントを投稿する

前の記事:
沖縄尚学はノーシードから頂点を目指す!興南と沖縄水産の再戦はあるのか?!【沖縄大会】
次の記事:
花巻東時代の女房役が振り返る大谷翔平が「160キロ」をマークした歴史的瞬間
最新ニューストップに戻る サイトトップに戻る