高卒4年目・安田尚憲に期待かかる履正社初、ロッテ26年ぶりのタイトル
安田 尚憲(履正社出身)
ロッテの高卒4年目・安田 尚憲が存在感を見せている。打率.203(118打数24安打)と確実性はまだまだ低いものの、5本塁打はリーグ4位タイ。29打点は堂々のリーグトップである。
安田は2017年ドラフト1位で指名を受け履正社高からロッテに入団。1年目に一軍デビューを果たすも、2年目は一軍出場がなく二軍で1年間を過ごした。そして高卒3年目の昨シーズン後半から主に4番を任され初めて規定打席に到達。打率.221(393打数87安打)、6本塁打、54打点の成績を残している。4番として考えると少し物足りなさを感じることはたしかだが、高卒3年目の野手と考えれば文句ない成績だろう。
ドラフト前は清宮 幸太郎(早稲田実業→日本ハム1位)、プロ入り後は村上 宗隆(九州学院高→ヤクルト1位)と同学年のライバルたちが話題となっていた。しかし安田も確実に進化を遂げており、初めて打撃タイトル争いに加わっている。
過去のロッテ(前身球団含む)の打点王獲得者を見ると別当 薫、山内 和弘(4度)、葛城 隆雄(2度)、アルトマン、リー、落合 博満(4度)、初芝 清と7人(13度)が名を連ねている。
このなかで、ドラフトで獲得したのは落合(秋田工→東洋大(中退)→東芝府中→1978年3位)と初芝(二松学舎大付属高→東芝府中→1988年4位)のふたりだが、いずれも社会人出身であり、高卒出身の打点王獲得者は生まれていない。また、直近の打点王は1995年の初芝となっており26年もの間に渡って不在となっている。これは12球団で最長のブランクでもある。
また、近年のパ・リーグ打点王を見ると中村 剛也(西武)、浅村 栄斗(楽天)、中田 翔(日本ハム)と2011年以降の日本人タイトルホルダーは全員が大阪桐蔭高OBでもある。履正社高OBではT-岡田(オリックス)や山田 哲人(ヤクルト)が本塁打王を獲得しているものの、打点王の獲得はない。
打点王のタイトル獲得者においては、同じ大阪府でしのぎをけずるライバルである大阪桐蔭高に大きく水をあけられている。
はたして安田は自身初、球団として26年ぶり、そして履正社高OBとして初の打点王獲得となるだろうか。シーズンはまだまだ続いていくが、この勢いを続けていくことに期待がかかる。
【ロッテの打点王】
※前身球団含む
1950年:別当 薫
1954年:山内 和弘
1955年:山内 和弘
1958年:葛城 隆雄
1959年:葛城 隆雄
1960年:山内 和弘
1961年:山内 和弘
1968年:アルトマン
1977年:リー
1982年:落合 博満
1985年:落合 博満
1986年:落合 博満
1995年:初芝 清
(記事:勝田 聡)