24試合で6本だけ 選抜でホームランが出ないワケ
鈴木 悠平(東海大菅生)
2021年の選抜も大会は残り3日。決勝戦まで合わせれば合計7試合のみとなった。19日から続いた熱戦もあとわずかとなったが、今大会の特徴をあげればホームラン数が少ないことだろう。大会5日目の第1試合までホームランが出ず、いつ出るのか話題にもなったくらいだが、ここで2回戦終了までに誰がホームランを放ったのか振り返りたい。
大会前から注目されたスラッガーの名前は現時点で並んでおらず、準々決勝以降に快音を響かせてくれることを期待したい。しかしここまでホームランが出ないのはなぜなのか。その理由の1つに実戦不足という声も出ているが、各チームのバッテリーの攻め方も関係しているのではないだろうか。
特に小園 健太が得意とするようなカットボール、ツーシームと言ったいわゆるストレートに近い軌道から小さく動くボールが球界のトレンドになったことで、打者は微妙に芯を外されることが増えたように思われる。
こうした小さく動く変化球や急速に流行したフライボール革命などについて以前、県立岐阜商・鍛治 舎巧監督に質問をぶつけた際、こんな答えが返ってきた。
「アメリカでフライボール革命が流行りだしたことで長打を狙う高校が出てきましたし、何より2017年の夏の甲子園でホームラン数の記録が更新されたことで、バッテリーが速いカウントから小さく動く変化球を使うような配球に変わったと思います」
この話をもとに考えれば、2017年辺りまでバッティングに分があったことで、ピッチャーがここ数年でバッターを抑える術を身につけ、その結果、現在はピッチャー優性の時代になっているのではないだろうか。
それでも、そういったことを跳ね返すような大きな一発が準々決勝以降に飛び出すことを期待して待ちたい。
(記事:田中 裕毅)
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