山岡、石川歩とバッテリーを組んだ名捕手・山内佑規の功績
山内 佑規
1人の名捕手の名前がホームページから消えた。
それが昨年まで東京ガスでプレーをしていた山内 佑規だ。桐蔭学園時代は名将・土屋 恵三郎氏、また、桐蔭学園とグラウンドを共有している桐蔭横浜大の齊藤 博久監督から捕手のイロハを叩き込まれた。ひたむきに取り組む姿はナインからも慕われたという。
そして明治大は指定校推薦で入学。毎年、きらめくエリート揃いの野球推薦とは違う。山内は勉強を疎かにせず、明治大に入ったのだ。
しかし同級生、1学年下は強豪校で活躍してきた捕手ばかりだったが、それでも山内選手は過去のインタビューでこう答えている。
「自分が何番目の捕手なのか客観的に見て、7番目の捕手ならどうすれば6番目になれるか、6番目になったらどうすれば5番目になれるか、というのはいつも考えてましたね。1ランクずつ技術を上げて、いつかは正捕手にたどり着くんだ、という思いでやってました」
自分の立ち位置を理解し、ひたむきに努力を重ね、3年秋に正捕手を獲得。2009年の明治神宮大会ベスト4に進出。さらに指定校推薦から主将に抜擢され、東京ガスでも2年目に主将となった。
さらに2016年には社会人ベストナイン捕手。2017 第28回 BFA アジア選手権では侍ジャパン社会人代表にも選ばれた。
こうして名門チームの経歴を歩む中、多くの好投手とバッテリーを組んできた。桐蔭学園では加賀美 希昇(法政大-横浜DeNA、現・JR西日本)の、明治大では野村 祐輔(広島広陵出身、現・広島)の、そして東京ガスでは、千葉ロッテのエース・石川 歩投手(富山滑川-中部大、現・千葉ロッテ)や、オリックスのエース・山岡泰輔投手(瀬戸内出身)と錚々たる顔ぶれだ。その中で山内は各投手の持ち味をどう引き出すのかを腐心し、打たれればその責任を自ら負った。
主将としても、捕手としても、山内の評価はプロ、アマ選手からも非常に高い。誰かのために真っ先に汗を流せるかっこいいプレイヤーだった。いずれは指導者としてグラウンドに戻る可能性は高いのではないだろうか。今後の活躍を期待したい。
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