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1%の可能性を信じて待った大分商。独自大会を制し交流試合で有終の美を飾る!

2020.06.16

1%の可能性を信じて待った大分商。独自大会を制し交流試合で有終の美を飾る! | 高校野球ドットコム

 この春、23年ぶり6回目の甲子園出場を果たした大分商。この世代を代表する大型右腕・川瀬堅斗を擁し、昨秋は九州大会準優勝するなど、この年は勝負のシーズンとして臨むつもりだった。しかしセンバツ、選手権も中止が決まってしまった。そんな状況下でも大分商は前を向いて進んできた。

 野球部の活動が本格的に再開したのは6月に入ってからだ。つまり、5月20日に発表された夏の甲子園、および地方大会の中止が決まったときは練習できる状況ではなかった。

 「指導者の中では覚悟はしておりましたが、正式発表があるまでは『とにかく可能性を信じて通常通りやっていこう』と選手たちには話をしていました。
 もともとチームの中では『1%でも救済策が実現する可能性が残っているなら、それを信じて待とう。もし無理だったとしても、夏の大会で優勝して甲子園に行こう』と言っていましたので、現実を直視できないところがありました」

 それでも渡邉正雄監督は、選手たちに「8月まではいつ発表があってもいいように、準備をしよう」と少ない可能性を信じて待つことを伝えていた。

 悔しい想いを押し殺してグラウンドに立ち、救済策を頭の隅において練習してきた大分商。そんなところに6月10日、選抜に選ばれた32校を招待して8月に開催する交流試合の吉報が届いた。可能性を信じて準備をし続けてきた大分商にとって喜ばしいニュースが飛び込んだのだ。

 「今回の交流戦は、日本高野連の方々が色々尽力してくださったと思います。生徒のために、その場を作ってくださったと思いますので、本当に嬉しい、の一言です。選手たちも3か月経って社会情勢が変わっている中で実現したので、喜んでいます」

 今は紅白戦も行うなど、早くも実戦形式の練習にも取り組んで、感覚を呼び戻そうとしている。「気力は充実しているんですが、問題は体力だと思っています」と3か月で落ちた体力も実戦感覚とともに養いながら県独自の大会。そして交流試合に向けて準備をする。

 「まずは独自の大会で優勝をすることを目標にしています。その大会に全てかけた先に甲子園があると思っていますので、1か月間しっかりやりたいと思います」

 交流試合が大分商にとっては最後の公式戦となる。そこで勝利を飾るべく、残り少ない時間を精一杯過ごしていく。

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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