21世紀枠の候補校の今。近大高専(三重)は代替大会へ「いただいたチャンスに感謝して」
昨年の秋季東海大会 加藤学園戦から
全国各地で、独自の代替大会の開催するか否かの議論が重ねられている中、三重県では26日に代替大会の開催の方向で準備が進められることが報じられた。詳細は今後決まっていくことになるが、「いただいたチャンスに感謝して、どういった形でも3年生の最後に向けてしっかりやっていきたい」と気持ちを語ったのは近大高専の重阪俊英監督だ。
近大高専は、昨秋の三重県大会を優勝。そして、今春の選抜で東海地区の代表として、21世紀枠の候補校にも選ばれていたことでも話題となったチームだ。3月の段階から活動を自粛をしていたが、現在は学校が遠隔授業のため、5月までは活動は自粛中。
寮生活を送っていた選手たちも原則としては実家へ帰省をさせたが、保護者の了承ももらい、寮生活を続けた方が安心と思われる選手だけは、そのまま残った。残った選手は寮で授業を受け、放課後の時間帯に自主練習という形でグラウンドで練習ができたが、重阪監督が指導をすることはできず、見守るだけだった。
選手たちの動きしか見えず、部員全員揃っての全体での活動再開は未だ目途が立っていない。「いち早く会いたいですが、なかなか叶わないです」と重阪監督も気持ちを口にした。そんな中で20日に甲子園の中止が決まってしまった。
実家に戻った選手たちには活動再開した時に、直接顔を見ながら話をするつもりだが、寮に残っていた選手に関しては、21日に重阪監督がミーティングを開き、声をかけた。
「発表が出る前からいろんな情報が飛び交っていましたので、本人たちの中ではある程度の心の準備は出来ていたようなんですが、やはり落胆が大きいです。ただ、『まだ3年生には下級生たちに伝えていってほしいことがあるし、まだやり残していることもあるから、チームの中心として頑張ってほしい』と話をしました」
それから間もなく、三重県では代替大会の開催の方向が固まった。重阪監督は、既に選手たちには代替大会が開催されることを伝えており、「どんな形であっても、そこを目指してやっていこうね」と改めてメッセージを送っている。新しい歴史を築いた3年生を中心に代替大会に向けて、近大高専の我慢の時は続く。
(取材:田中 裕毅)
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