球数制限が初めて導入され行われた沖縄県春季大会。関係者の本音は?
ベスト8まで勝ち上がった知念 ※写真は今春の県大会から
この春から新たに導入された球数制限。1週間で500球という制限を設けて、1人の投手に対してあまり酷使しないように導入されたが、高校野球界にとって未知のルールを最初に運用されたのが沖縄県大会。準々決勝までで打ち切りとなったが、今回の新ルールをどのように感じているのか。電話取材で話を聞かせてもらった。
まずはベスト8まで進出を果たした知念に話を聞くと、今大会は1人の投手で投げきることができたとのこと。ただ、チーム内には3、4人の投手がおり、その選手たちにとってプラスに働いているのではないかと監督を務める、照屋拓己監督は考えている。
「球数制限がありますので、他の投手にはいつでも心の準備をさせないといけないです。そうすると、『この場面なら』と選手それぞれが考えて準備できるので、モチベーションに繋がっていると思います」
選手それぞれがマウンドに上がってからのシミュレーションをきっちりできることが、モチベーション向上に繋がる。そこにプラス要素を感じていたが、同時に難しさもあったことを語る。
「交代のタイミングで、選手たちの心をどれだけピークに持っていくか。またどのシチュエーションなら誰を投げさせるか。選手たちと話ながら考えていかないといけないです」
知念と同じく、モチベーションの部分を大事にしている声は、他の沖縄県内の学校からも聞こえた。
「事前に話し合いをして、こちらがパターンを3つくらい想定した上で、誰を起用するのか。しっかりと話し合いをしながらやらないといけないと思いました」
一方で他の学校では、球数制限をすることと並行して大会日程を懸念する声をもあった。
「大会が中盤に差し掛かって、優勝まであと少しのところで球数制限の影響が出るんだと思います。大会初日に登板か、大会5日目に登板しただけでも、後々影響が出てくると思うんです。ただ選手の保護は考えないといけないので、大会日程にゆとりがあってもいいかなと思いました」
話を聞かせてもらうと、やはり継投策を使うチームが増えた印象があると語る。2020年、高校野球界が1つ大きな変革期を迎えたが、今後はどうなっていくのか。これからの行方を見守り続けたい。
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