関東・東京6枠目を賭ける帝京の冬の過ごし方。結果に一喜一憂をしないことが大事
アップをする帝京の選手たち
昨秋、8年ぶりの都大会準優勝の帝京。選抜出場の可能性を残しているが、どんな心境で日々の練習を過ごしてきたのか。
昨秋の決勝戦では国士館に敗退。前田監督は「選手が硬くなりすぎていました。決勝戦はどうも固くなりやすい場で難しい場所だと実感しているのですが、非常に良い流れで勝てていただけに、何もできなかったのが私の後悔です」と嘆く。
主将の加田拓哉は「あの試合は試合前からみんな硬くて、アップの場所も違うし、決勝戦はいつもと違う流れになることが多くて、そういう意味で戸惑ってしまったと思いますが、そういうことに何もできなくて悔しかったです」
とチームにとって後悔が残った決勝戦。前田監督は負けを引きずらないためにも負けた翌日は冬の練習から始めた。
また、前田監督はセンバツ発表によって一喜一憂させないよう、頭も夏に向けて切り替える練習を行ってきた。
「そこ(選抜)を意識してしまうと、選ばれたなかった時にモチベーション低下を招くこともあるので。そこに一喜一憂するのではなく、選ばれることになれば、選んでいただいた方々に感謝の気持ちをもってプレーをしなさいと。選ばれなかったら夏に頑張るしかない。負けた時点で夏だよということは話をしていました」
前田三夫監督
選手たちには選ばれるか分からない。ただ、決勝戦で敗れたことで、全国で戦うためには何が足りないのかが明確になっていた。加田はこう語る。
「選抜が特になかった1年冬、少しでも可能性がある現在の冬では、モチベーションが全く違います。今の自分たちは足りないところばかりで、そういう話はずっとしています」
意識高く練習してきた選手たちの成長は前田監督も感じ取っている。
「冬の練習が始まったときよりも体が大きくなっていますし、力強さが出てきましたよ」
1月24日に結果は判明するが、どちらにしてもチームは夏に向かっていく。そこに向けての課題として、前田監督は「野手陣は対応力、投手陣は今の1年生投手は180センチ越えの本格派が3人います。2年生に比べたらまだまだですけど、公式戦で投げられるレベルになれば、チームは非常に強くなりますよ」
昨秋の都大会で計7本塁打を放った強力打線で、実戦経験豊富な投手も3人いる帝京は今年の東東京をリードするチームであることは間違いないだろう。どこも寄せ付けない圧倒的な強さを身に着けるために、一喜一憂せず、鍛錬を続ける。
(取材=河嶋 宗一)
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