News

MIP賞の箭内翔太(徳島インディゴソックス)の強みは修羅場を潜り抜ける精神力!そして元NPB投手から学んだこと

2019.12.01

MIP賞の箭内翔太(徳島インディゴソックス)の強みは修羅場を潜り抜ける精神力!そして元NPB投手から学んだこと | 高校野球ドットコム
ワールドトライアウトに参加した箭内翔太

 11月30日、ワールドトライアウト本選が明治神宮球場で開催された。清原和博氏の登場、元NPB選手、海外選手の出場に大盛況でイベントを終えた。

 イベントの最後、ファンが選ぶ最優秀選手のMIP賞の受賞者が発表され、箭内翔太(徳島インディゴソックス・東日本国際大昌平)が受賞した。11月7日の予選ラウンドでは、無死満塁のピンチの場面で登場し、無失点の好リリーフ。緊迫した場面で抑えたことで評価が上がっていた箭内は本選でも冴えわたるピッチングを見せた。

 いきなり二者連続三振を奪い、次の打者をエラーで走者1人許したが、抑えるたびに歓声が大きくなり、ほぼ完ぺきなピッチング内容に、規定の15球を達したところで、マウンドを降りると、箭内に大拍手が起こった。

 すぐさまインタビューに入り、「ファンの皆様の声援が力になりました」と完ぺきなコメントに、一気にファンの心をつかんだ。

 予選ラウンドが終わってから、バイトの合間にトレーニングをしながら調整をしてきた箭内。右サイドから常時130キロ後半(最速141キロ)のストレートはしっかりとコントロールされ、120キロ近いのスライダーでも空振りを奪った。
「何球か逆球がありましたので、目標としているのはNPBなので、そういうコントロールミスがなくすことを課題にやっていきたいです」と反省を忘れなかった。

 貴重な右サイドの箭内だが、もともとは遊撃手出身。草野球チームで腕を磨き、140キロ台の速球まで速くなり、入団テストを経て徳島インディゴソックスに入団。今年はチーム最多の37試合、3勝5敗2セーブ5ホールド、防御率3.28と結果を残した。箭内の投手人生で1シーズン投げ切ったのは今年が初めて。シーズン終盤になると、今まで感じたことがない肩の疲れ、足の疲れを感じ、最後は息切れしたことを反省し、1年間投げ切る体力をつけるために、トレーニングを行っている。

「しっかりと走りこんで頑丈にして、最後までばてないピッチングができるようにしたいです」
 また、このトライアウトは元NPBの投手が投げている姿を間近で見て、目標とするNPBに入るにはどんなピッチングをすれば、信頼を得られやすいのかを知る場所にもなった。

「やはり三振だけが投手ではないことを教わりました。高木(勇人)投手、横山(貴明)投手を見て思いました。自分が三振を取りたいから取るのではなく、自分のピッチングでチームの勝ちにつなげている姿を目の当たりにして刺激を受けました」

 それでも箭内は実戦力の高さを示した。本選では箭内も速い140キロ中盤の速球を投げ込む投手が多くいたが、箭内自身、「そういう場面でも落ち着いて入っていける」と語るように、走者を出してからの安定感はMVPを受賞した高木勇人に負けていなかった。

 来年の目標はNPBのドラフトにかかること。大車輪の活躍をするために、箭内はこのオフを人生を変える冬にする。

(記事=河嶋 宗一

関連記事
清原監督絶賛の快投を見せた高木勇人(前埼玉西武)がワールドトライアウトMVP!今後は海外でプレーすることも検討!
ワールドトライアウトでは格の違いを見せた右サイドハンド・箭内翔太(徳島インディゴソックス)!
清原和博、元NPBプレイヤー、独立リーグの実力者の競演にワールドトライアウトは大盛り上がり!

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.01

【神奈川】関東大会の切符を得る2校は?向上は10年ぶり、武相は40年ぶりの出場狙う!横浜は6年ぶり、東海大相模は3年ぶりと意外にも遠ざかっていた春決勝へ!

2024.05.01

春季大会で頭角を現した全国スーパー1年生一覧! 慶應をねじ伏せた横浜の本格派右腕、花巻東の4番、明徳義塾の正捕手ら入学1ヶ月の超逸材たち!

2024.05.01

【福島】聖光学院と福島商が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.05.01

【兵庫】報徳学園、須磨翔風などが順当に夏の第1シード獲得!昨秋ベスト4の長田、滝川二はノーシードに

2024.05.01

【岩手】盛岡大附、一関学院などが県大会出場へ<春季地区予選>

2024.04.29

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.26

今週末に慶應vs.横浜など好カード目白押し!春季神奈川大会準々決勝 「絶対見逃せない注目選手たち」!

2024.04.26

古豪・仙台商が41年ぶりの聖地目指す! 「仙台育英撃破」を見て入部した”黄金世代”が最上級生に【野球部訪問】

2024.04.28

【広島】広陵、崇徳、尾道、山陽などが8強入りし夏のシード獲得、広島商は夏ノーシード<春季県大会>

2024.04.28

【長野】上田西、東海大諏訪、東京都市大塩尻が初戦突破<春季県大会支部予選>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.21

【兵庫】須磨翔風がコールドで8強入り<春季県大会>

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.29

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける