MIP賞の箭内翔太(徳島インディゴソックス)の強みは修羅場を潜り抜ける精神力!そして元NPB投手から学んだこと
ワールドトライアウトに参加した箭内翔太
11月30日、ワールドトライアウト本選が明治神宮球場で開催された。清原和博氏の登場、元NPB選手、海外選手の出場に大盛況でイベントを終えた。
イベントの最後、ファンが選ぶ最優秀選手のMIP賞の受賞者が発表され、箭内翔太(徳島インディゴソックス・東日本国際大昌平)が受賞した。11月7日の予選ラウンドでは、無死満塁のピンチの場面で登場し、無失点の好リリーフ。緊迫した場面で抑えたことで評価が上がっていた箭内は本選でも冴えわたるピッチングを見せた。
いきなり二者連続三振を奪い、次の打者をエラーで走者1人許したが、抑えるたびに歓声が大きくなり、ほぼ完ぺきなピッチング内容に、規定の15球を達したところで、マウンドを降りると、箭内に大拍手が起こった。
すぐさまインタビューに入り、「ファンの皆様の声援が力になりました」と完ぺきなコメントに、一気にファンの心をつかんだ。
予選ラウンドが終わってから、バイトの合間にトレーニングをしながら調整をしてきた箭内。右サイドから常時130キロ後半(最速141キロ)のストレートはしっかりとコントロールされ、120キロ近いのスライダーでも空振りを奪った。
「何球か逆球がありましたので、目標としているのはNPBなので、そういうコントロールミスがなくすことを課題にやっていきたいです」と反省を忘れなかった。
貴重な右サイドの箭内だが、もともとは遊撃手出身。草野球チームで腕を磨き、140キロ台の速球まで速くなり、入団テストを経て徳島インディゴソックスに入団。今年はチーム最多の37試合、3勝5敗2セーブ5ホールド、防御率3.28と結果を残した。箭内の投手人生で1シーズン投げ切ったのは今年が初めて。シーズン終盤になると、今まで感じたことがない肩の疲れ、足の疲れを感じ、最後は息切れしたことを反省し、1年間投げ切る体力をつけるために、トレーニングを行っている。
「しっかりと走りこんで頑丈にして、最後までばてないピッチングができるようにしたいです」
また、このトライアウトは元NPBの投手が投げている姿を間近で見て、目標とするNPBに入るにはどんなピッチングをすれば、信頼を得られやすいのかを知る場所にもなった。
「やはり三振だけが投手ではないことを教わりました。高木(勇人)投手、横山(貴明)投手を見て思いました。自分が三振を取りたいから取るのではなく、自分のピッチングでチームの勝ちにつなげている姿を目の当たりにして刺激を受けました」
それでも箭内は実戦力の高さを示した。本選では箭内も速い140キロ中盤の速球を投げ込む投手が多くいたが、箭内自身、「そういう場面でも落ち着いて入っていける」と語るように、走者を出してからの安定感はMVPを受賞した高木勇人に負けていなかった。
来年の目標はNPBのドラフトにかかること。大車輪の活躍をするために、箭内はこのオフを人生を変える冬にする。
(記事=河嶋 宗一)
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