元プロ監督がオリックスへ加入 愛弟子とともに再びプロの世界へ
山本 和作監督(大阪経済大)
2022年のドラフトで育成2位でオリックスに指名された大阪経済大・才木 海翔投手(北海道栄出身)とともに、2023年からオリックスに進む者がいる。才木を指導した大阪経済大の山本 和作監督である。
山本自身も育成でNPBの世界に飛び込んでいったが、現役時代は巨人、オリックスと渡り歩いた。そんな山本が1月1日付で現役時代最後の3年間を過ごしたオリックス広報部の入社が報じられた。
大阪経済大で取材した際は、物腰が柔らかく、選手たちに対してもフラットな目線に立ってコミュニケーションを取る姿が見られた。何よりも笑顔を見せることが多く、かつ「選手たちには、やるからには上のステージを目指してほしい」という情熱に、控え組のノックまで自ら打つ献身的な人格が印象深かった。
本人も当時の取材の中で「一流選手は良い人が多かったですけど、そういう人じゃないと、球団スタッフで残れないんですよね。だから球団スタッフもいい人たちばかりで、現役時代は『この人についていきたい』と思える人たちに沢山出会うことができました」という話をしていた。
確かに球団スタッフは、ファンへの対応はもちろんだが、メディア関係者など窓口となるところは多い。現役時代の実績だけでは計り知れない選手の器の大きさというのも、スタッフとして求められるところだ。その点、山本氏は、大学野球という現場で、様々な人とかかわりを持っていることは大きい。
大阪経済大は推薦枠を多く設けていないため、一般入試や指定校推薦で入学してくる選手が多い。全国各地のあらゆる選手たちが、大阪経済大の門をたたいてきた。モチベーションの高さはもちろん、レベルの違いなど、様々な選手がいても「コツコツやれる選手は成長しますし、そういった意欲が大事だと思います」と話し、「少し技術で劣っても、やろうとしてくれる姿勢にグッときますし、声も掛けたくなる」と真摯に向き合うようにしているのは十分に伝わってきた。
こうした人格の持ち主がアマチュア野球を経由して、2023年から大阪経済大時代の愛弟子とともにオリックスに加わる。現役生活の最後にお世話になった球団に、どんな形で恩返しをするのか。そんなところも少し楽しみにしたい。
(記事:田中 裕毅)