リーグ連覇目指すヤクルト2軍に潜む逸材たち
高校時代の武岡龍世
プロ野球の世界において二軍は若手を育成するだけでなく、ベテランや不振に陥った選手の調整や、故障明けの選手の実戦復帰の場として様々な立場の選手の集合体だ。ここまで各球団はどのような状況の選手に打席数を多く振り分けているのだろうか。二軍で多く打席を与えられている選手を球団ごとに確認してみたい。
日本一2連覇を目指すヤクルトの二軍でもっとも打席を与えられているのが吉田大成内野手(佼成学園出身)だ。4年目の吉田は昨シーズン一軍で18試合に出場し、打率.225(40打数9安打)ながら出塁率.392と選球眼の良さを見せた。今シーズンは一軍に一度も昇格できておらず二軍で調整中。
その二軍でも打率.167(138打数23安打)と打撃面で苦しんでいるが、出塁率.301とこちらは悪くない。また、内野の全ポジションだけでなく、両翼もこなすことができるのは大きな強み。故障者が出た際のバックアップとして一軍から声がかかるよう、打撃面で調子を上げていきたいところ。
チーム2位は160打席の3年目の武岡龍世内野手(八戸学院光星出身)だった。武岡は二塁と遊撃で起用されここまで打率.246(142打数35安打)とまずまずの打撃成績を残している。ドラフト同期であり同学年の長岡秀樹内野手(八千代松陰出身)が一軍でレギュラーを掴んだ。そこに追いつくためにも、まずは二軍で圧倒的な結果を残したい。
吉田と武岡に続くのが2年目の並木秀尊外野手(市立川口出身)だ。俊足の外野手として期待されている並木は、昨シーズン一軍で27試合に出場していた。しかし今シーズンは一軍に昇格した時期はあったものの未出場となっている。二軍では打率.271(133打数36安打)と昨シーズンの打率.220(177打数39安打)から向上。OPSも.510から.695と打撃面では格段の進歩が見られる。得意の盗塁も現在12個でリーグ2位。打撃、走塁で一軍昇格を目指す。
この3人に4位タイで松本友内野手(東福岡出身)と元山飛優内野手(佐久長聖出身)が続いている。昨シーズンは松本(27試合)と元山(97試合)も一軍での出場があったが、今シーズンはまだ未出場。松本は打率.263(137打数36安打)と結果を出しているが、元山は打率.198(131打数26安打)と打撃面で苦しんでいる。
昨シーズン一軍での出場経験のある選手たちが多く打席を与えられていた。今シーズンも二軍で結果を出し、昇格を勝ち取ることができるだろうか。
<打席数上位5人>
170打席:吉田大成(内野手)
160打席:武岡龍世(内野手)
159打席:並木秀尊(外野手)
154打席:松本友(内野手)
153打席:元山飛優(内野手)
2022年6月19日終了時点
(記事=勝田 聡)