2021年のペナントレースは、セ・リーグがヤクルト、パ・リーグはオリックスが優勝を飾った。ヤクルトは奥川 恭伸投手(星稜出身)、オリックスは宮城 大弥投手(興南出身)と高卒2年目の投手が飛躍。チームに欠かせない存在となった。その他にもロッテ・佐々木 朗希大船渡出身)や阪神・及川 雅貴投手(横浜高出身)ら、同じく高卒2年目の投手がクライマックスシリーズに進出したチームの戦力となった。

 彼らのように生え抜きの高卒投手が早い段階で計算できるようになると、チームにとってはこの上なく大きい。国内FA権の取得までの期間が大学生や社会人出身の選手と比べ1年長いからだ。

 さて、各球団の生え抜き高卒投手は、今シーズンどれだけの勝ち星を挙げているのかを振り返ってみたい。

 ソフトバンクは2013年以来8年ぶりにクライマックスシリーズ進出を逃した。そんな低迷したチームを引っ張ったひとりが千賀滉大だった。

 育成として入団し、今年高卒11年目のシーズンを迎え、日本を代表する投手となった千賀は、離脱期間があったことで13試合(84.2回)の登板にとどまった。しかし、そのなかで10勝3敗、防御率2.66と好成績を残し、チームで唯一となる2桁勝利を達成。少ない登板機会ながら7つの貯金を作っている。

 そのほかの高卒投手を見ると、武田 翔太(4勝)、松本 裕樹(3勝)、笠谷 俊介(3勝)、岩嵜 翔(2勝)、高橋 純平(1勝)、古谷 優人(1勝)、田浦 文丸(1勝)と7人が白星を挙げている。千賀を含めて8人の生え抜き高卒投手が白星を挙げていることになるが、これは12球団でもっとも多かった。

 しかし、2015年と2016年に2年連続で2桁勝利を達成し、先発ローテーションの一角を期待された武田はわずか4勝。2014年ドラフト1位の松本は先発と中継ぎの両役割を担ったこともあり、33試合(先発7試合)で3勝。2015年のドラフト1位・高橋純と2016年のドラフト2位・古谷はともに1勝。過去の実績やドラフト時の期待値からすると、この結果は少し物足りない。

 ドラフト上位指名で入団した生え抜きの高卒投手の有望株から、来シーズン以降の先発ローテーション投手が生まれるだろうか。千賀に続く先発の柱が育つことに期待がかかる。

<ソフトバンク・生え抜き高卒投手勝利数>

チーム勝利数:60勝
生え抜き高卒投手勝利数:25勝(41.7%)

(10勝)千賀 滉大蒲郡→2010年育成4位)
(4勝)武田 翔太宮崎日大→2011年1位)
(3勝)松本 裕樹盛岡大附→2014年1位)
(3勝)笠谷 俊介大分商→2014年4位)
(2勝)岩嵜 翔(市立船橋→2007年高1巡)
(1勝)高橋 純平県立岐阜商→2015年1位)
(1勝)古谷 優人江陵→2016年2位)
(1勝)田浦 文丸秀岳館→2017年5位)

(記事:勝田 聡)