立教大の阿部慎之助となる!正捕手を目指し、野心を燃やす片山悠(立教大)
キャッチャーは肩の強さだけじゃない
片山悠(立教大)
まだ日が昇り切っていない[stadium]明治神宮球場[/stadium]。8時前から試合が行われるフレッシュリーグで、気になる捕手が現れた。
その選手は立教大の2年生・片山悠だ。岸和田ボーイズから履正社に進み、8番捕手として明治大の竹田祐や慶應義塾大の若林将平、そして千葉ロッテマリーンズの安田尚憲らとともに2016年の明治神宮大会優勝。
そして翌年の2017年の選抜で準優勝を経験。最後の夏はライバル・大阪桐蔭の前に敗れ、夏の甲子園を逃したが実績十分の実力者。
早稲田大との試合に6番・捕手で出場した片山。その試合で片山は、投球練習間の二塁送球で矢のようなボールを投げていた。タイムを計測すれば平均して1.8秒をマーク。さすが名門・履正社でスタメンマスクを被っていただけのことはある。
試合後、そんな片山に直撃すると「カウントを悪くなったところで簡単に真っすぐを投げすぎたと思います。それが打たれて失点につながりました。」とまずは試合を振り返った。
その上で肩の強さを聞くと、「キャッチボールで遠投とかはやるので、そこで肩は強くなって、105メートルくらいは投げます。」と片山は話す。
やはり肩が強かった片山選手。この肩の強さが二塁送球の速さに繋がっていると思ったが、片山が続けてこう語った。
「肩が強い選手はいるので、二塁送球は握り替えで差が出ると思います。だから握り替えは、小学校でキャッチャーを始めることになってキャッチボールをする時から意識しています。」
チームからの信頼を勝ち取り、ライバルの背中を追いかける
片山悠(立教大)
たしかに片山は肩の強さに惹かれるが、捕ってからの速さやステップの種類の多さにも魅力を感じた。
「試合は何も意識しないですが、小中学生の時の監督がキャッチャーだったので、その時にいろんなボールに対応できるようにするために練習から意識してステップは踏んでいました。」
またキャッチングに関しても、身体の近くで捕ることで身体にボールを寄せる時間のロスを減らしている。また通常の時から身体の近くでキャッチングをすることで柔らかい捕球を実現している。
大学野球に飛び込んで1年が経ち、全体練習の時間が短く自分でやる時間が高校より増えたと語る片山。全体練習ではキャッチャーとしての信頼を得るためにもキャッチャーの練習をこなし、個人練習で変化球に対応すべくバッティング練習に時間を割いてきた。早稲田大戦でも1打点をマークし、守備だけではなくバットでも首脳陣へアピールした。
そんな片山は、読売ジャイアンツの阿部慎之助のような勝てるキャッチャーが理想だと語った。同時に今年ドラフト候補生として注目される藤野隼大の後継者として、活躍できればと意気込みを残した。
同リーグには高校時代の仲間である明治大の竹田や、慶應義塾大の若林が先にリーグ戦デビューしている。そのことに刺激をもらっていると片山は語った。
片山の大学野球はまだこれから。立教に片山あり、と示す日を楽しみにしたい。
文=編集部