21人目の東京代表・黒川麟太朗(国士舘)が選抜で学んだ最短距離の大切さ
好投手を打つためのコンパクトかつ最短距離の打ち方
黒川 麟太朗(国士舘)
昨秋の決勝戦で強豪・東海大菅生を破り、10年ぶりに甲子園に足を踏み入れた国士舘。その国士舘でリードオフマンとして打線を引っ張るのが黒川麟太朗だ。
176センチ63キロのシャープな体格で、手元まで引き付けるバッティングが持ち味の黒川選手。ケガの影響で辞退をしたものの、東京代表に選出されるなど都内屈指のリードオフマンだ。
準々決勝の帝京戦(試合レポート)ではチーム唯一の3安打猛打賞を記録。打点こそ記録しなかったが1番打者としての役割を果たし、チームの準決勝進出に貢献した。
試合後、黒川選手は、「3本ヒットは打ちましたけど、今大会は不調で味方に迷惑かけてばかりでした。今日はコンパクトに打とうと心掛けていたので、結果が出て良かったです。」と振り返った。
このコンパクトという言葉、これこそが黒川が選抜の舞台で学んだことだ。
「選抜で中森俊介投手と対戦してレベルの違いを感じました。このままだとあのレベルの速球は打てない、好投手と対戦すると勝てないと感じました。そこで最短距離でバットを出せればヒットの確率も上がると思ったんです。
今日の試合でいえば、今まではテイクバックで後ろが大きくなってしまい詰まっていたので、そこを最短距離で出せるように体の近くでバットを構えました。」
黒川は昨冬、東京代表に選出されたが、ケガの影響で代表入りを辞退した。しかしセレクションに参加したことで、レベルの高い選手のプレーを見られただけでも本人にとっては大きなプラスとなったと語る。
「東海大菅生の成瀬(脩人)は同じ内野手でも守備は柔らかくて無駄がない。バッティングに関しても凄いと思いました。」と同じ西東京のライバルのプレーに黒川は強い刺激を受けたのだ。
センバツが終わってチームの状態が落ち、都大会は負けてもおかしくないゲームがあった。だが帝京戦で打線が繋がったことで、ここから調子が上がっていくだろうと黒川は実感している。
打線が上向きになってきた国士舘の次の相手は都立小山台。これに勝てば2年連続の関東大会出場が決まる。
「目の前の試合に勝つだけなので、自分たちらしく守り勝って関東大会出場を決めたい」と意気込みを語った。
国士舘の切り込み隊長が都立小山台相手にどんなバッティングでチームにリズムを与えるのか。黒川麟太朗の第1打席から目が離せない
文=編集部