池田 陽佑(智辯和歌山)「新戦力登場!目指すは2年夏までに145キロ」
近畿大会準優勝を収め、二季連続の甲子園出場へ大きく前進した智辯和歌山にとってエース・平田龍輝に続く投手が出てくるのは甲子園で勝ち抜くためには至上命題だった。だが、なかなか控え投手を試すチャンスがなく、近畿大会準決勝まで勝ち進むまで、エース・平田が中心だった。準決勝からようやく、平田以外の投手を投げるチャンスが巡り、そこで好投を見せたのが、小堀 颯、1年生右腕の池田 陽佑だ。今回は伸び盛りの1年生の池田の歩みに迫る。
緊張がかかる近畿大会。自分の武器で活路を見出した
早くも池田は登板のチャンスが与えられ、春季大会で和歌山南陵戦で1回無失点の好投。しかしここから公式戦の登板はなかった。だが、高嶋仁監督に自分の速球、スライダーの切れ味をアピールし、近畿大会ではベンチ入りを果たし、そして登板のチャンスが巡ってきたのだ。初登板となった乙訓戦では最速135キロのストレートをマーク。
「とにかく緊張した試合でした」と振り返った初戦。そして決勝戦では6回裏から登板。「準決勝より調子は良かったです」というように、この試合では常時134キロ~137キロを連発するなど、準決勝よりも格段に状態が良く、「ストレートも、スライダーもよかったです」と振り返った。
しかし、その6回裏、根尾昂に自慢のスライダーを本塁打にされ、「1球の怖さを思い知った」と手痛い攻撃を受けたが、見せ場となったのは7回裏。無死満塁のピンチを招き、ここで追加点を失えば、完全に試合が決する展開。この場面、マウンドに伝令役として訪れたのは、エースの平田。
「平田さんが声をかけてくれて、だいぶ落ち着きを取り戻すことができました」
この場面を見事に切り抜け、3回を投げて1失点の好投を見せ、「無死満塁を抑えたことは、来年へ向けて自信となりました」と、笑顔を見せた池田。池田を送り出した高嶋仁監督も「まだまだよくなる」と期待を込めた。
池田は、入学から元楽天などで活躍した中谷仁コーチからトレーニング面、配球面で指導を受けてきた。「中谷さんはいろいろなメニューを知っていて、ランニングでも1日1日メニューが違ったり、体幹メニューを教わったりしてきました」
その結果、入学時の132キロから5キロアップの137キロへ。常時135キロ前後の速球を計測できるレベルまでとなった。そしてエース・平田からも「試合のたびにここがよかった、悪かったと指摘していただき、感謝しています」
まず目指すのは、夏まで最速145キロ。その青写真が現実となれば、智辯和歌山の投手陣は非常に強力なスタッフになることは間違いない。
(取材・河嶋宗一)
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