目次

[1]自慢の強打を生んだ秀岳館の練習法
[2]九鬼の成長をもたらした秀岳館の日々のミーティング内容とは?

 今年の高校生を代表するスーパーキャッチャー・九鬼 隆平。打てて、守れて、そして走れてとまさに従来の捕手像を覆す選手だ。侍ジャパンU-18代表に選出された九鬼は早稲田大学との練習試合で逆転となる3ランを放ち、チームを勢い付けた。早稲田大戦の活躍を振り返るとともに、この男の成長の秘密に迫った。

自慢の強打を生んだ秀岳館の練習法

九鬼隆平選手(秀岳館)

  まさに打った瞬間だった。1回裏、1点ビハインドだった侍ジャパンU-18代表は、一死から2番伊藤優生の四球、3番鈴木 将平の左前安打で一死一、二塁の場面でまわってきたのが4番九鬼 隆平だった。

 その九鬼はいきなり4番打者らしい結果を見せる。甘く入ったボールだった。九鬼が振り抜いた打球はレフトスタンドへ飛び込む逆転3ラン。これで高校通算25本塁打。この本塁打で調子を上げたのか、九鬼はアウトになったとはいえ、鋭いライトライナー、センターライナーと鋭い打球を連発。本当に高校生なのか?と思わせる当たりであった。ネット裏のスカウトたちは、九鬼が打席に立つごとに真剣な眼差しで見る。そしてスイングをすると、報道陣、スカウト、一部のファンがおっと声を上げるのだ。そのトーンの大きさは他の打者よりも大きかった。誰もが九鬼がもう一本打ってくれることを待ち望んでいるかのように思えた。

 木製バットでも豪打を披露する九鬼は練習中から木製バットで練習をしている。ただそれを取り入れているチームはあっても木製バットをしっかりと振り切れる選手はいない。秀岳館は1キロのマスコットバットを持って、遠くへ飛ばすポイント制ロングティーや1日2キロのお米を食べる食トレなど、徹底とした体作り、パワートレーニングを行うが、九鬼の力強い打球は秀岳館の3年間の取り組みによってもたらされたといっていいだろう。九鬼は木製について、「金属よりも振れる」とコメントするように、どの打席も弧を描きながらヘッドが下がらず、強くボールを叩ける形ができていた。この時期の高校生が木製を使うと、失速した打球が多いのだが、九鬼はそれがない。

 高校生レベルではなく、高いレベルでも強打の捕手として活躍する可能性を秘めているのが九鬼なのだ。

甲子園に比べて調子は上がってきています」と頼もしい姿を見せた九鬼。打撃もこのまま調子を上げていくとさらに期待は高まって来る。

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