学法石川の好捕手・大栄利哉が交流戦で復帰! 実力は攻守ともに世代トップクラス!身長200センチ右腕を攻略し、完封勝利!
大栄利哉(学法石川)
<交流戦:学法石川8-0千葉学芸>◇11日◇千葉学芸高グラウンド
センバツ出場の学法石川が千葉の実力校・千葉学芸と練習試合を行った。この一戦で頼もしい選手が帰ってきた。それが大栄 利哉捕手(2年)だ。昨秋の東北大会では捕手、リリーフの二刀流でベスト4入りに貢献。しかしセンバツ直前で左足首の靱帯断裂と腓骨の骨折で、代打のみの出場に終わった。5月に入って試合に出場できるまでに回復したが、県大会でも活躍が期待できるパフォーマンスだった。先発投手として登場した大栄は常時130キロ中盤の速球(最速39キロ)を両サイドに投げ分け、120キロ前半のスライダーの切れ味もよく、安定感があった。3回まで無失点に抑える好投。
4回から捕手に座ると、安定したスローイングを披露し、「投手のみんなは個性的なのでその持ち味を引き出すことに集中した」と4回から登板した主将の小宅 善叶投手(3年)の持ち味を引き出し、4回無失点の好投を演出した。打者を観察しており、ことごとく狙い球を外す配球ができていた。
打撃では200センチの大型右腕・菊地 ハルン投手から2安打を放った。1安打目はセカンドとライトのお見合いによるヒットだったが、2安打目は外角高めに入る直球を巻き込んでライト前ヒット。大栄の打撃を見ると、どの打席でも自分の間合いで打つことができている。重心を低く沈めたフォームは雰囲気があり、菊地が投じる速球、曲がりが大きい変化球に対しても微動だにせず、ボールを見送っている。打てる球をしっかりと絞って、振り抜いていた。自分がちょっと間合いが合わないと思えば、タイムをとって打席を外したり、集中力の高さを感じた。
本人は高打率を残すことを重要視しているというが、ヒットを打った時のフォームを見ると、ソフトバンク・近藤 健介外野手(横浜)と似ている。
大栄は「非常に良い投手と聞いていたのでそういう投手から打てて嬉しかったです」と喜んだ。
大栄の目標は来年の高卒プロ入り。兄で153キロ右腕・大栄 陽斗投手(トヨタ自動車)とともにドラフト指名を目指している。この世代には、センバツベスト4入りした星稜の能美 誠也が世代トップ級の捕手として注目されているが、捕手としての技術、野球頭、打撃技術も負けていない。今のコンタクト力に加えて、遠くへ飛ばす技術が身につけば、もっと騒がれる存在になりそうだ。
また打線も菊地から7安打7得点を入れた。菊地が投じる130キロ後半の速球、カーブ、フォークをしっかりと見極めることができていた。
佐々木 順一朗監督は現在の課題について投手陣の整備を挙げた。大栄が3回無失点。2番手に登板した小宅が4回無失点の好投。右スリークォーター気味から135キロ前後の速球は打者の内角に決まり、千葉学芸打線を打ち取っていた。主将でもある小宅について佐々木監督は「とにかく練習を一生懸命する子で、姿勢がとにかくいいんです。彼はそれだけでここまできた選手」と評する。県大会前に結果を残せたのは、自信につながりそうだ。
県大会の組み合わせが決まり、郡山と会津工の勝者と対戦する。同ブロックには日大東北、東日本国際大昌平、順調に勝ち進めば、準決勝で聖光学院と対戦する可能性がある。佐々木監督は「トーナメントの左側に強豪が集結してしまいました」と苦笑いする。
ただ、投打の仕上がり、プロ注目投手を攻略した攻撃内容を見ると、この春も躍進が期待できそうだ。
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