第240回 学校が休校、部活動自粛... 休むと体はどうなるか?2020年03月15日

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【目次】
[1]休むことも大事
[2]休むと体はどうなるか?


 こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。

 新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、学校が休校となったり、部活動を自粛したりという状況になりました。選手の皆さんは戸惑いや不安などもあると思いますが、自分自身でできることを続けながら、野球ができるようになるまで焦らずに待ちましょう。

 今回はパフォーマンスアップのためになぜ野球以外のトレーニングが必要なのか、トレーニング効果は「貯金(筋)」できるのかといったことについてお話をしてみたいと思います。

休むことも大事



技術練習で得られない負荷をかけて効率よく筋力を鍛える

【体力要素をピンポイントで鍛えることができる】
 野球の練習ではさまざまなプレーを繰り返し、正しいフォームやより高いパフォーマンスが発揮できるようにしていきます。中にはバッティングフォームを安定させるために素振りを繰り返す、といったことを行ってきた選手も多いことでしょう。もちろん競技特性を考えると大切な練習ではありますが、仮にバッティングフォームが安定しない原因が体幹部の筋力にあるとしたらどうでしょうか。

 体力要素の中にある「筋力」にスポットを当て、その部分を集中的にトレーニングを行うと、バッティングフォームの安定につながることが期待できます。このように体力要素は「筋力」「スピード」「パワー」「敏捷性」「柔軟性」「バランス」「筋持久力」「全身持久力」といったさまざまな要素で構成されており、この中でも特に鍛えたい体力要素を重点的に強化することで、より高い効果を効率よく取得することができると考えられます。トレーニングがアスリートにとって必要不可欠なものであるという理由です。

 ただしこのとき注意しなければならないのは、補強として体力トレーニングを行う場合、野球の練習で行うものよりも「より強い負荷」を「特定の体力要素に与えること」が重要になってきます。素振りを100回行うことによって得られる体幹部の筋力よりも、補強で行う体幹トレーニングの負荷が弱い場合は、結果的に素振りをした方が筋力強化になる、ということになります。

【総運動量に気をつけよう】
 オフシーズンは主に体づくり、基礎体力向上といったことを重点的に行い、シーズンに入ると技術練習がメインになってくるチームが多いと思います。トレーニングはシーズン中においても体力レベルを維持・向上させるために続けていくことが理想的ですが、中にはトレーニングの重要性を理解しているために、技術練習を目一杯行った後にさらにトレーニングや補強を行うケースも考えられます。

 このときは技術練習とトレーニングの総運動量を考慮して練習内容を吟味する必要があります。総運動量が体力的な限界以上に積み重なってしまうと、休養とのバランスが崩れて肉体的・精神的な疲労がたまり、その状態でさらに運動量が増えるとケガのリスクが高まるだけではなく、体調を崩してオーバートレーニング症候群などになってしまうことが懸念されます。

 トレーニングを含む技術練習、栄養、休養はそのバランスが崩れるとより良いコンディションを保つことがむずかしくなります。強くなるためにも適切な休養は必要であることを再確認しておきましょう。

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プロフィール

西村典子
西村 典子 トレーナー
  • ■ 生年月日:1970年12月5日
  • ■ 出身地:大阪府
  • 奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。野球用品メーカーにて勤務後、トレーナーとして10年以上にわたり高校野球・大学野球の現場にたずさわる。野球現場での活動を通して自分たちで自分の体をマネジメントする「セルフコンディショニング」の重要性を感じ、チーム・選手・指導者にむけてスポーツ傷害予防や応急処置、トレーニング(ストレングス&コンディショニング)に関する教育啓蒙活動を行っている。

    一般雑誌、専門誌、ネットなどでも取材・執筆活動中。また整形外科ドクターと野球の傷害予防に関する共同研究活動なども行っている(現在の研究テーマは手指血行障害について)。

    現在、東海大学硬式野球部アスレティックトレーナーをはじめ、さまざまな高校野球部を担当中。
  • ・日本体育協会公認アスレティックトレーナー
    ・NSCA公認ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)
    ・NSCA公認パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)
    ・日本スポーツ整形外科学会会員 等
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