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第183回 冬のランニングプログラムの考え方2017年12月15日

 こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。

オフシーズンになるとランニング量が増え、いわゆる「走りこみ」を行うことが多くなってくると思います。走りこみは選手にとってはつらい練習かもしれませんが、これも身体づくりのため、スタミナ強化のため、そして何より野球が上手くなるために必要な練習の一つと考えましょう。今回は冬の時期に行うランニングについて、プログラムの構築方法を中心に考えたいと思います。

【目次】
[1]体力を鍛えることでついてくる根性論
[2]どの体力要素を鍛えるのかを明確にする

体力を鍛えることでついてくる根性論

ただ長い距離を走るのではなく、何のために走るのかを明確にする

 特に長距離のランニングはスタミナ強化をメインとして行われていることが多いのですが、その中には根性論のように「あきらめない心を鍛える」という目的もあると思います。こういった精神論は特に否定するものではありませんが、これがランニングの主たる目的ではなく、体力レベルを上げることともに精神的な面での粘り強さを養うことが付随してくるようにすることが大切です。ただただ走って根性を鍛えることを目的にしてしまうと、選手からすると「走らされている」という意識が強くなってしまい、つらい練習になりがちです。

 一方で何事も「楽しい」ことばかりを追い求めると、今度は運動強度や負荷の面で「今の体力でできる範囲」のレベルになりがちです。楽しく練習することは大切ですが、その練習内容が選手の体力レベルを向上させるものであること、適切な強度で行われていることを確認するようにしましょう。特にグループなどに分かれて行うリレー形式のランニングは競争が伴うため、盛り上がって楽しい面もあります。私もときどき取り入れるようにしていますが、リレー形式で行うランニングは、選手一人一人のランニング量が少なくなりがちであることや、勝負に熱くなりすぎてケガをしやすくなるといった側面もあることを覚えておきましょう。

なぜ冬の時期に長い距離を走るのか

 ランニングにもトレーニングと同じように行う時期にあわせて鍛える体力要素が変わってきます。トレーナーやトレーニングコーチはチームの年間スケジュールを把握して、一番大切な試合に身体のコンディションをベストな状態にできるようにトレーニングやランニングプログラムを作成します。オフシーズンはシーズン中には比較的、長い距離を走って全身持久力(=スタミナ)や筋持久力を強化することが多くなりますが、その理由としては「シーズン中には限られた練習時間の中でより多くの時間を野球の技術練習に費やしたい」「時間のかかる長距離走を取り入れる時間的な余裕がない」「暖かい時期よりも寒い時期の方がロング走に適している」ことなどが挙げられます。暑い夏の時期に長距離走を行うと脱水などから熱中症を起こしやすく、気候面や体力面を考慮すると冬の時期に行う方がより安全であると言えるでしょう。

【次のページ】 どの体力要素を鍛えるのかを明確にする

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プロフィール

西村典子
西村 典子 トレーナー
  • ■ 生年月日:1970年12月5日
  • ■ 出身地:大阪府
  • 奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。野球用品メーカーにて勤務後、トレーナーとして10年以上にわたり高校野球・大学野球の現場にたずさわる。野球現場での活動を通して自分たちで自分の体をマネジメントする「セルフコンディショニング」の重要性を感じ、チーム・選手・指導者にむけてスポーツ傷害予防や応急処置、トレーニング(ストレングス&コンディショニング)に関する教育啓蒙活動を行っている。

    一般雑誌、専門誌、ネットなどでも取材・執筆活動中。また整形外科ドクターと野球の傷害予防に関する共同研究活動なども行っている(現在の研究テーマは手指血行障害について)。

    現在、東海大学硬式野球部アスレティックトレーナーをはじめ、さまざまな高校野球部を担当中。
  • ・日本体育協会公認アスレティックトレーナー
    ・NSCA公認ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)
    ・NSCA公認パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)
    ・日本スポーツ整形外科学会会員 等
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