部員13名で旋風起こす八重山農か?主砲が打率10割と大暴れの美里工か?【秋季沖縄県大会準々決勝 展望・後編】
69回目を数える沖縄県高校野球秋季大会は24日、3回戦を終えベスト8が出揃った。新人中央大会覇者の沖縄水産をはじめ、本部、美里工と新人4強のうち3校が順当に勝ち上がってきた中で、部員僅か13名の八重山農が旋風を巻き起こすなど、大会を通して成長してきたチームも多い。そこで8強がぶつかる準々決勝を中心に、ここから上の展望を書いてみようと思う。
【前編はコチラ】
宿敵同士の再戦か?それともジャイアントキリング達成か?【秋季沖縄県大会準々決勝 展望・前編】
【トーナメント表をチェック!】
秋季沖縄県大会トーナメント表
投打のバランスで勝負する八重山農
2番の大浜圭人(八重山農林)は打率6割を記録する
【宜野湾―八重山農】
3試合で4失点の宜野湾。濱川と宮里の二枚看板が力を遺憾なく発揮している。濱川が被打率.186、奪三振率7.94の好成績を残せば、宮里も新人中央大会準優勝の具志川商を1失点完投。どちらをマウンドに送っても計算が成り立つのは、池宮城監督にとってもこの上なく頼もしいに違いない。
チーム打率.318の打線を引っ張るのは4番大城。毎試合安打で打率は5割。具志川商戦は一人で4打点を叩き出した。長打率も高く8割を超える。
対する八重山農は投打でバランスが良い。サイドハンドのエース親里は3試合12イニングを投げて無失点。奪三振率は8.25。被打率は圧巻の.122。制球も良くK/BBは5.50と、全く隙がない。大会を通しても三本指に入る好投手だ。もう一人の垣本も12イニングを投げ被打率は.136と秀逸。
この二人だけでも凄いのに、3試合で25得点と打線も本物ときた。1番久貝が打率.556、2番大浜が打率6割ちょうど。ホームランと三塁打も記録している久貝は8得点するなど、この二人の出塁率の高さがそのまま得点力となっている。
この両者の対戦、八重山農が6-4で若干有利と読む。やはり親里の存在が大きい。この時期にこれだけ完成されたサイドスローは、高校生ではなかなか打てないだろう。宜野湾打線が大振りせず、右方向への強い打球を心掛けても厳しい。それだけ親里の今秋の出来は素晴らしいのだ。宜野湾は濱川と宮里で八重山農打線を抑え、1点勝負に持ち込みたい。
[page_break:経験豊富の美里工が軸のC、Dブロック]経験豊富の美里工が軸のC、Dブロック
美里工の投の柱・上間玲於
【美里工―具志川】
新人4強の美里工は、前チームから投打の軸として活躍してきた二本柱の富島、上間が強力。投の柱・上間は3回戦の宮古戦で打者13人に対し僅か1安打と抑え込んだ。今秋、打者26人に対し与四球1個と制球も安定している。
打線を引っ張るのは4番・富島。去った夏でもホームランを記録したその打棒はさらに磨きをかけ、今秋の打率はなんと10割!驚異の9打数9安打(二塁打と三塁打を1本ずつ)はそのまま、チーム打率.483に繋がっている。まるで、2014年の選抜大会に出場した美里工を彷彿とさせるかのような強さだ。
対する具志川は、嘉手納同様大会で急成長したと言っていいだろう。その主役が糸満戦で4安打完封した長山。16イニングで被打率は.156。制球に難があるものの、それが打者に的を絞らせず功を奏している。もう一枚の津波古も被打率は.152と低い。チーム打率は3割を切る(.280)だけに、両投手の出来に全てがかかる。
この両者の対戦、美里工が8-2で有利と読む。沖縄水産打線と、がっぷり四つで対戦出来るのは美里工以外にない。具志川は、ボール球を振らせて美里工打線を焦らせれば面白い展開になる。
(記事=當山 雅通)
【前編はコチラ】
宿敵同士の再戦か?それともジャイアントキリング達成か?【秋季沖縄県大会準々決勝 展望・前編】
【トーナメント表をチェック!】
秋季沖縄県大会トーナメント表