2季連続出場狙う京都国際 接戦ものにすべく最後の総仕上げ【前編】
今春の甲子園に初出場し、1勝を挙げた京都国際。その勢いは留まるところを知らず、春の京都大会でも優勝を果たしている。春夏連続の甲子園を目指す京都国際の春の戦いぶりと夏に向けての課題について迫った。
甲子園初勝利の喜びより敗戦の悔しさ
集まる京都国際ナイン
センバツでは1回戦で延長10回の末に5対4で柴田に勝利。2回戦の東海大菅生戦では9回二死までリードを奪っていたが、逆転サヨナラ打を打たれて、惜しくも8強入りを逃している。
初めての甲子園を振り返り、小牧憲継監督は「良いところもありましたが、全国で戦うには至らない点がたくさん見つかりました」と話す。投手陣の柱である平野 順大と森下 瑠大(ともに2年)も「悔しい気持ちの方が大きい」と口を揃えており、1勝できた嬉しさよりも8強入りできなかった悔しさと自分たちの力不足を実感する大会となった。
春に甲子園を経験すると、満足感や高揚感で一時的にチームが浮つくこともあるが、京都国際にはそうした様子は見られなかった。それどころか、「もっと上手くなろう、強くなろうという意識は感じています」(小牧監督)とチームの士気はより高まっている。
春の近畿大会も接戦を落とす
森下 瑠大
センバツ明けの春季大会では4試合で1失点の堅守で優勝。「精神的な部分で余裕があった」と正捕手の中川 勇斗(3年)が語るように大舞台を経験したことで、落ち着いた試合運びができるようになっていた。
この春に大きく成長を見せたのがエースで4番の森下だ。センバツでは思うような結果を残せず、ストレートの球速も130キロ台前半だったが、府大会では140キロを計測。近畿大会でも好投を見せ、明らかにセンバツとは違う姿を見せている。
センバツでエースナンバーを背負った平野は東海大菅生戦で右肘に死球を受けた影響で府大会の登板はなかったが、近畿大会で復活。準決勝の智辯学園戦に先発し、6回2失点と復調の兆しを見せた。
順調に強化が進んでいる京都国際だが、近畿大会準決勝では同点で迎えた8回裏に一死満塁からスクイズを外した際の挟殺プレーが乱れて、決勝点を献上。センバツに続いて接戦を落とす形となった。
「勝てる試合を落としている課題自体は変わっていないので、まだまだ詰めの甘さは解消していかないといけません」と気を引き締める小牧監督。春夏連続の甲子園出場に向けて、チームに油断はない。6月からは強化期間に入り、最後の追い込みを行っている。
(取材=馬場 遼)