まさにジャイアントキリング。

 2019年の夏の甲子園で悲願の優勝を果たした履正社から公立校が勝利を掴み取った。この勝利は高校野球界のみならず、SNS上でも大きな話題となった。そんな旋風を巻き起こした学校こそ、山田である。

 今回はもう1つのキーワードである自主性と、秋の戦いを振り返っていきたい。

前編はこちらから!
履正社を破って近畿大会へ!旋風を巻き起こした山田(大阪)の走力は逆転の発想から生まれていた!【前編】

細やかなコミュニケーションがチームを支える


 山田を語るうえで外せないキーワードは自主性だ。今年のチームから金子恭平監督がボトムアップ、つまり選手からの意見を吸い上げる形を採用。自主性を重んじるスタイルに切り替えたのだ。

 「僕自身が現役時代にやってきたことを伝えても、僕以上の結果を残せないと思ったんです。だったら主体的にやった方が面白いですし、本格的にやることにしました」

 ただ、「直接言うのは慣れない」という選手もチームにはもちろんいる。だから決して任せっきりにするわけではない。選手から声をかけやすいようにきっかけを与えるために、指導者から話をするなど、コミュニケーションを取りながらチームを運営している。

 その最たるものが練習メニューを決めること。まずは、試合で出た課題を改善することを前提としたメニューを選手たちが日々作成。出来たものを金子監督が確認して、最終決定を下すが、指導者としてはどんなメニューが来るのか不安だ。だからこそ、金子監督はまず大枠となる部分だけを先に提示する。

 「見立てとしてチームとしての課題や補強部分は伝えておきます。その上で、どんなことをするのかは選手たちが話します。そこから意見を聞いて、こちらの考えも伝えたうえで、話し合って決めています」

 メニュー決めだけではなく、取材中も選手たちと綿密なコミュニケーションを取っていることが印象深い金子監督。特に公式戦では選手たちを鼓舞するような話をしているイメージが強い。

 「特に公式戦では、いかに選手たちが気持ちよくプレーできるか。やっぱり、選手たちがその気になった方が力を発揮するので、しっかりコミュニケーションをとっています」

 エース・坂田 凛太郎も「先生の声掛けは的確ですし、何よりモチベーションが上がります」と、金子監督の鼓舞は選手たちにしっかり届いている。