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双子のWエースで島原(長崎)は甲子園目指す

2021.03.01

双子のWエースで島原(長崎)は甲子園目指す | 高校野球ドットコム

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富山南のスタメン・ベンチ入り情報

 有明海がすぐ近くにあり、冬場になれば砂浜トレーニングに海までいくこともあるという島原。長崎県島原市に学校があり、創立して120年以上という歴史もあり、県内でも有数の伝統校という位置づけになる。

 そんな島原には2人の吉田がいる。吉田有志吉田圭志の双子の兄弟にして、島原が誇る左右のWエースである。
 左のエースで弟・吉田圭は旧チームから試合に出場し続け、昨夏の独自大会でも1人で投げきるなど、指揮官・中島監督も信頼を寄せるピッチャーだ。

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 そんな吉田圭の持ち味は強気な投球。球速自体は130キロ前半ほどではあるが、出田雅喜主将も「強気な投球が圭志の持ち味です」と語る気持ちの強さで、独自大会でもインコースをどんどん攻めた。

 この投球に「ある程度の実力ある私立校でも抑えられる」と評価するものの、同時にアウトコースへの変化球の精度に課題があると指摘。コースを広く使った投球が出来るようになれば、吉田圭のピッチングは今まで以上に幅が広がるに違いない。

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 弟・吉田圭とともに投手陣を支えるのは右のエース・吉田有である。制球力は今後の課題となるが、弟・吉田圭以上に、「回転が良く、伸びのあるボールを投げる」とチーム内ではもっともボールに力があると評価。スピードも130キロ中盤まで計測しており、春以降の活躍に期待がかかっている。

 さらに中島監督の狙いで、現在はカットボールの習得に挑戦をしているとのこと。「カットボールを覚えるには前でリリースする必要があるので、それで自然とストレートの制球力が上がればと思っています」と同時に最大の課題をクリアさせようとしている。

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 野手陣に目を向けると、中心に座るのは3番・センターとして攻守の軸を担う宇土颯汰らとともに旧チームでも中軸の選手として出場して多くの打点を記録してきたが、新チームでも勝負強い打撃は健在。春以降も活躍が期待されている。



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■大崎と中盤まで互角の一戦を経験して

 そんな島原は、夏は県大会ベスト8進出。しかもレギュラーとしてそれを経験したメンバーが6人残るという状況からスタート。県大会制覇を目指し、『いつも120%』というスローガンを掲げてスタートを切るが、2回戦で大崎と対戦することとなった。

 ただ当時を振り返ると、チームは決して悲観的ではなかった。
 「大崎は経験値が少ないと思いましたし、しっかり分析もしたので、勝てる可能性はあると思っていました」(中島監督)

 「早い段階で強豪と対戦して勢いに乗りたかったので、チームは逆に盛り上がって。試合当日までしっかり追い込んできたので、良い雰囲気で試合には入れました」(出口主将)

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 試合は6回終わって2対2という投手戦。試合前に中島監督が考えていた通り、強豪相手に十分に渡り合う内容だった。ただ、終盤に島原は守備でミスが目立つようになり、失点を重ね、2対6という結果になった。

 宇藤は「チャンスできちんと取れれば、楽に試合運びが出来た」と悔しさをにじませつつも、のちに九州王者となった大崎との一戦で大きな手ごたえを感じた。

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 「ランナーを出すことが出来ましたし、得点も奪えた。だから試合をしてみて『意外に戦える』と思えたからこそ、大会が終わってからはもっと練習頑張れましたし、甲子園出場の目標もより現実味を帯びてきました」

 中島監督も「力の差はなかったですが、それでも負けた」と振り返り、後日、大崎まで足を運び、練習を見学したとのこと。そこでは「1つのプレーに対するこだわりが凄かった」と感じ、そこに強さの秘訣を感じたとのことだ。

 冬場は砂浜ダッシュをするなど、強化を続けてきた島原。悲願の優勝へ、大崎との一戦を糧にさらなる飛躍を誓う。

(文=田中 裕毅

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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