第74回 天理と智弁学園の2強構図は変わらぬ宗教校のライバル対決【奈良・2018年度版】2018年05月24日

印刷する このエントリーをはてなブックマークに追加   

【目次】
[1]奈良の中心は天理、智弁学園の強烈な2校
[2]2強の壁は厚いが、他の勢力も健闘を示す

奈良の中心は天理、智弁学園の強烈な2校



甲子園では通算75勝49敗で優勝3回という見事な成績を残している天理

 あまりにも強烈な2校があってその壁は極めて厚いというのは、奈良県の他の学校の偽らざるところであろう。その2校とは、ほとんどの高校野球ファンが周知のように天理智辯学園である。色でいえば紫と朱ということでもわかりやすい。今年はそのどちらが強いのか、また、どちらを応援するのかということである。
 奈良県は近畿圏の中では近鉄文化圏になる。生駒市などを含めて、ほとんど大阪のベッドタウン化しているということもあって、生徒が大阪の学校へ流れやすい。だから、意識としては大阪という部分もあり、このあたりは首都圏における埼玉の位置づけによく似ている。その一方で、大阪の有望選手が甲子園に行くためにどこの学校へ行くと可能性が高いのかという点では、奈良の学校のほうが甲子園の夢を実現しやすいという側面もある。ことに、天理智辯学園も宗教色の強い学校であり、その意味では広く県外生を受け入れやすい環境でもあると言えよう。
 これが奈良県の高校野球構図が形成されていった背景でもあろうか。

 歴史的には、天理は打撃力、智辯学園は投手力という印象が強い。県内でのこの対決となるとどちらの力が上回ったかということがそのまま代表に繋がっていくということでもある。この構図は1970年代頃から、営々と継続されてきている。確実にこの両校の一騎打ちという図式を呈していた時代が長く、会場の橿原(佐藤製薬)球場も二分されるという状態が続いていた。ある人はそれを“奈良の宗教代理戦争”とも称していた。そして、それはそのまま天理市と五條市の都市対抗でもある。
 甲子園での実績ということでは天理の方が勝っている。甲子園では通算75勝49敗で優勝3回というのは見事だ。奈良県のトータル136勝のうちの5割5分を占めているのはさすがだ。近年では、丸2年間遠ざかっていたが15年には復活して春夏連続出場。17年夏にも出場している。09年春から11年夏までは5季連続出場を果たすなど圧倒的だ。
 これに対して智辯学園は甲子園通算35勝29敗で、16年春には悲願の全国制覇を成し遂げた。夏も出場したが2回戦で鳴門に敗れた。77年春と95年夏にはベスト4に進出している。実績的にはやや天理に後れを取っているものの、それでもインパクトがあるのは、胸に強烈な朱色の文字で書かれた「智辯」のユニホームの印象もあるだろう。ちなみに天理は紫でやはり漢字で「天理」の二文字の表記である。
 いずれにしても、この両校で奈良県の甲子園勝利数の8割近くを占めているのだから、圧倒的勢力であることに変わりはない。
 この両校の対決構図は、今後も続いていくであろうことは間違いない。

【次のページ】 2強の壁は厚いが、他の勢力も健闘を示す

この記事についてTwitterでつぶやく この記事についてFacebbokに投稿する
【関連記事】
第779回 危機感を乗り越え史上初の2度目の春夏連覇!!大阪桐蔭の1年間を試合レポートで振り返る!【後編】【大会展望・総括コラム】
第778回 史上3校目の選抜連覇を達成!大阪桐蔭の1年間の軌跡「手探りの秋、逞しさが出た選抜」【前編】【大会展望・総括コラム】
第775回 近畿6枠はどうなる?龍谷大平安の優勝で幕を閉じた秋季近畿大会を総括!【大会展望・総括コラム】
大阪桐蔭vs橿原【2018年秋の大会 平成30年度秋季近畿地区高等学校野球大会】
第183回 今年は内野手豊作年!ポジション別に指名候補を紹介!【高校生野手編】【ドラフト特集】
第799回 大阪2強など強豪校が勢ぞろい!激戦の近畿大会を勝ち抜くのは?【大会展望・総括コラム】
天理vs橿原【奈良県 2018年秋の大会 平成30年秋季近畿地区高等学校野球大会奈良予選】
日大三vs敦賀気比【2018年  福井しあわせ元気国体2018】
木更津総合vs敦賀気比【第100回全国高等学校野球選手権記念大会】
前橋育英vs近大附【第100回全国高等学校野球選手権記念大会】
第511回 熊本工業高等学校 山口 翔選手「フォームと速球のこだわりは誰にも負けない」 【2017年インタビュー】
第448回 吉田 正尚選手(オリックス・バファローズ)「3パターンのスイングを使い分けることで幅広い打撃ができる」【後編】 【2016年インタビュー】
第447回 吉田 正尚選手(オリックス・バファローズ)「自分が持っているパワーを最大限伝えることができるか?」【前編】 【2016年インタビュー】
第434回 敦賀気比高等学校 林中勇輝選手 「大舞台ほど強くなる理由」  【2016年インタビュー】
第388回 筑波大学 篠原 涼選手【後編】「基本の積み重ねが今の自分を作った」 【2016年インタビュー】
高田商 【高校別データ】
橿原 【高校別データ】
関西中央 【高校別データ】
近大附 【高校別データ】
郡山 【高校別データ】
郡山 【高校別データ】
高田 【高校別データ】
高田 【高校別データ】
高田 【高校別データ】
高田 【高校別データ】
高田 【高校別データ】
高田商 【高校別データ】
智辯学園 【高校別データ】
敦賀気比 【高校別データ】
天理 【高校別データ】
奈良大附 【高校別データ】
平城 【高校別データ】
大和広陵 【高校別データ】

コメントを投稿する


コラムトップに戻る サイトトップに戻る

コラム