伝統校・静岡 夏秋ともに初戦敗退も、法政大に完封勝利で春の逆襲へ!
ノックをする静岡・池田監督と野手陣
春季静岡県大会の地区予選は3月20日に開幕する。ここ最近、県内を代表する伝統校・静岡が苦しんでいる。昨年は夏も秋も初戦負けに終わり、悔しい結果が続いている。
昨夏の大会前の練習を見ると、個々の能力は悪くはない。選手の動作、技術を見ると、楽しみな選手がいる。しかし強豪校を破るには、ワンランクレベルアップしなければ厳しい印象を受けた。夏の常葉橘戦では延長の末、惜敗。秋の地区予選でも常葉橘と再戦し、1対4で敗れている。
今年のチームのキーマンは中野 桜佑投手(2年)。昨夏の常葉橘戦では先発し、4失点完投負け。打者としても4打数2安打と孤軍奮闘の活躍だった。
投手としては130キロ台の直球をコントロールよく投げ分ける技巧派で、打者としての才能は高く、インパクトまで無駄のないレベルスイングで、ライナー性の打球を連発。打撃練習や実戦形式の打撃練習では常にミートができており、公式戦でもそのまま能力を発揮できる選手だった。
ただ、昨秋まで中野のように公式戦で活躍できる選手がいなかったこと。打線としてつながりが欠けるのも課題だった。
だがチーム作りはできており、昨年11月に行われた東京六大学の学校が出場する「オータムフレッシュリーグin静岡」で静岡は1,2年主体の法政大と対戦し、3対0で完封勝利を挙げた。この試合では130キロ後半の速球を投げ込む谷脇 健心投手(2年)が5回無失点の好投をみせ、9回には増田 煌太朗投手(1年)が無失点。140キロを超える速球を投げ込み、中学時代は県内の強豪校から誘われた存在で、昨年6月の段階でも、池田 新之介監督は「チームで一番速い投手」と評価していた。1年生のときは登板過多による故障をしないように、大事に起用されていた感じが強かったが、2年生になってからは登板機会も増えそうだ。
打線では前チームから主軸を務める和田 琉汰内野手(2年)の成長に期待。昨夏の常葉橘戦では4打数0安打。打撃練習では振り幅が大きいスイングで、次々と長打を飛ばしていた右のスラッガーで、和田、中野の2人の主軸が勝負強さを発揮すれば、得点力が大きく増す。
ノーシードで臨むことになったこの春は、初戦で焼津中央と対戦。同ブロックにはシード校・駿河総合がいる。まず初戦に勝てば、代表決定戦で負けても、敗者復活戦がある。ただ、敗者復活戦も静清、シードの清流館、清水桜が丘が集まったブロックの学校と対戦するため、県大会出場の道のりは険しいことは間違いない。
昨夏悔しい負けを味わった中野、和田などの2年生たちを中心に結束し、地区予選の壁を乗り越えていけば、東海大会出場も狙えるチームになるのではないか。昨秋から大きくパワーアップした姿を見せることを期待したい。
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