田中正義(日本ハム)のストレートは「打てない」!?移籍2年目、さらにアップグレード中!
創価大時代の田中 正義
日本ハムに移籍して2年目を迎える田中 正義投手(創価高出身)の仕上がりが、「エグイ」と評判だ。11日の楽天との練習試合に登板した田中は、最速150キロをマークし、1イニング2三振を含む完全投球を見せた。その直球はうなりを上げるような勢いのある球で、2三振ともに直球の空振り三振だった。
新庄監督も「打てないでしょ」と大絶賛。本人も納得の表情で自分の投球を振り返った。昨年25セーブを挙げて、日本ハムの守護神としての地位を確立した右腕が、今年は絶対的な守護神への成長を予感させた。
ゆったりとしたフォームからリリース時だけに、全力のパワーを注ぎ込む。今春のキャンプでは無駄な力を省いた投球フォームを追求し、ジャイロフォークとスイーパーの新球への挑戦も行っているという。アップグレードにも余念がないが、その土台ともいうべき直球の仕上がりは完璧に近い。ファンの間でも今季への期待は高まるばかりだ。
2016年、5球団の競合の末にクジを当てたソフトバンクにドラフト1位入団した。しかし度重なるケガと、直球のキレが戻らないことで苦しんだ。そして2022年オフ、日本ハムからFAでソフトバンクに移籍した近藤 健介外野手(横浜高出身)の人的補償で日本ハムに移籍。23年は守護神となり、初セーブをマークした時はお立ち台で涙した。新球団で「リスタート」に成功した右腕は、移籍2年目にさらなる飛躍にまい進している。
2016年ドラフト1位の同期には、西武の今井 達也投手(作新学院出身)、中日の柳 裕也投手(横浜高出身)、阪神・大山 悠輔内野手(つくば秀英出身)、オリックス・山岡 泰輔投手(瀬戸内高出身)が、指名された球団で主力として君臨している。今年は、移籍を経験し苦労した「ドラ1」右腕が、本当の実力を発揮する番だ。
思い返せば2016年ドラフトでクジを外したものの、日本ハムは田中をドラフト1位で指名している。その時は「縁」がなかったかもしれないが、再び選んでもらった「縁」を胸に、田中がその剛腕を振り続ける。