【高校野球ベストシーン’23・千葉編】専大松戸打線がロッテ4位右腕・早坂を攻略し、春夏連続甲子園に突き進む
2023年もあとわずか。ことしも高校球界ではさまざまな印象的な出来事があった。都道府県ごとにベストシーンを思い出してみよう。
【夏選手権千葉大会5回戦・専大松戸vs.幕張総合】
23年の千葉は、専大松戸が強さを誇った。昨年秋季大会で千葉を制し、今年の春はセンバツに出場した。春季大会も千葉を制すると、夏も優勝。新チーム結成以来、激戦区千葉の公式戦で1つも負けずに終わった。
楽な戦いではなかったが、特に夏は厳しい戦いを強いられた。そのなかで、大きな自信となった戦いがあった。それが6対2で勝利したZOZOマリンスタジアムでの5回戦、幕張総合戦だった。
相手投手は151キロ右腕の早坂 響投手(3年)。スライダー、カットボール、チェンジアップを操り、そこまでの3試合すべて完投し勝利に導いていた。26回で26奪三振と圧倒的な投球を見せていただけに、専大松戸にとって最大の難関だったといえる。
専大松戸にも注目右腕、平野 大地投手(3年)がいる。組み合わせが決まった時から、千葉を代表する右腕の投げ合いとなるかが注目度No.1だった。
専大松戸は早坂相手にしぶとい攻撃で得点を積み重ねた。右打ちの適時打に、犠飛、内野安打や内野ゴロの間と、様々なパターンで得点を奪った。5盗塁も絡めて、足技で攻略。5回以降はノーヒットに抑えられたが、4回までに4安打で6得点を奪って逃げ切った。
好投手攻略を自信に、その後は拓大紅陵、志学館に勝利し、決勝の習志野戦では9回サヨナラで優勝を決めている。
早坂はドラフトでロッテ4位指名を受けた。もともと捕手で投手の練習を開始したのは2年の秋からと、ほとんど投手の経験がないなか、151キロまで伸びた球速を武器にしている。伸びしろがあり、楽しみな逸材だ。高校最後の夏の舞台となったZOZOマリンスタジアムで、ピンストライプのユニホームに身をまとい、プロでの活躍を目指す。
<全国高校野球選手権千葉大会:専大松戸6-2幕張総合>◇2023年7月19日◇5回戦◇ZOZOマリンスタジアム
幕張総合スタメン
(二)諫見 康大(3年)
(中)江村 叶翔(3年)
(三)湯原 晴太(3年)
(一)上田 瑚大(3年)
(右)東 陽輝(3年)
(捕)菊池 大智(3年)
(投)早坂 響(3年)※ロッテ4位指名
(左)久保山 達輝(3年)
(遊)櫻井 幹太(3年)
専大松戸スタメン
(三)大森 准弥(3年)
(中)清水 友惺(2年)
(遊)中山 凱(2年)
(捕)吉田 慶剛(3年)
(一)広川 陽大(3年)
(左)上迫田 優介(3年)
(右)太田 遥斗(3年)
(投)平野 大地(3年)
(二)宮尾 日向(3年)