【仙台六大学】東北福祉大、新人戦8連覇に王手!最速151キロ右腕・櫻井頼之介が6回無失点好投
6回無失点と好投した東北福祉大・櫻井頼之介
<仙台六大学野球秋季新人戦:東北福祉大4-1東北工業大>◇4日◇2回戦◇東北福祉大
仙台六大学野球秋季新人戦は4日、2回戦2試合が行われ、東北福祉大は東北工業大を4対1で下して決勝に駒を進めた。新人戦8季連続優勝(2020年春は新型コロナの影響で中止)を目指し、5日は仙台大と対戦する。
東北福祉大は3回、敵失の間に1点を先制する。5回には1番・小山 凌暉内野手(1年=東海大菅生)の適時三塁打などで2点を奪い、点差を広げた。投げては、先発の最速151キロ右腕・櫻井 頼之介投手(2年=聖カタリナ)が走者を出しながらも三塁は踏ませず6回4安打無失点と好投。7回以降は芹沢 一晃投手(1年=健大高崎)、伊藤 千浩投手(1年=東北)ら4投手の継投でつなぎ、リードを守りきった。
櫻井は「調子が悪く、球をコントロールできなかった」と振り返るように万全の状態ではない中、先発の役割を果たした。3回と6回以外はいずれも先頭打者の出塁を許し、3度得点圏に走者を背負う苦しい投球。それでも、スライダーなどの変化球を有効的に使った巧みな投球術で再三のピンチをしのいだ。ピンチの場面では、バッテリーを組む捕手と積極的にコミュニケーションを図ることを心がけている。この日は同学年で、同じ四国の高校でプレーしていた清家 優一捕手(2年=大手前高松)と頻繁に言葉を交わしながら投球を組み立てた。
また櫻井はリーグ戦での経験を経て、「去年はピンチの場面でおどおどしてしまっていたけど、今年は淡々と動じずに投げられるようになった」と手応えを口にする。今秋のリーグ戦は4試合に登板し、3勝0敗、防御率1.50。優勝のかかる仙台大戦では初戦の先発を任された。下級生ながら先発ローテーションの一角に入ったことで、大きな自信を手にした。
ただ、課題も多い。今秋は体のコンディションを整えきれないまま試合に臨むことが多く、球速も自己最速には及ばない140キロ台中盤がほとんどだった。今オフは「体を鍛える」ことに重きを置くつもりだ。先発陣の核だった後藤 凌寿投手(4年=四日市商)、北畑 玲央投手(4年=佐久長聖)が卒業することで、来年はより重要なポジションを任されることとなる。「すごい2人がいなくなる。自分たちが成長して2人の穴を埋めたい」と力を込めた。
東北工業大は春の新人戦に続く決勝進出とはならなかったものの、強敵相手に善戦した。故障から復帰した左腕・熊谷 蓮投手(2年=東陵)は4回2安打1失点(自責点0)と好投。打線は相手を上回る9安打をマークし、7回は前日、本塁打を放った1番・齋藤 陽也内野手(1年=名取)の適時打で1点を返した。今秋の新人戦で躍動した下級生が来年、「打倒・2強」の鍵を握ることとなりそうだ。
取材・文=川浪康太郎