【四国】1回戦 明徳義塾 vs 池田
【四国】明徳義塾、高知3位からの下剋上へ、初戦・池田に快勝!〈秋季大会〉
〈第76回秋季四国地区高校野球大会:明徳義塾7ー1池田〉♢10月28日♢1回戦♢オロナミンC球場
2024年3月18日に兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕する「第96回選抜高校野球大会」(以下センバツ)の四国地区一般出場枠「2」を決する重要な参考資料となる「第76回秋季四国地区高校野球大会」(以下、秋季四国大会)は10月28日、4県の県大会上位3位校・計12校が集い徳島県で開幕。1回戦の第1試合では高知3位の明徳義塾と徳島2位の池田が対戦した。
両者は新チーム結成早々に練習試合で対戦し池田が勝利。井上 力監督が「自信になった」という池田ナインは、この試合をステップとし徳島県大会準決勝で最速153キロ右腕・生光学園の川勝 空人投手(2年)を攻略し準優勝を成し遂げ、2015年以来の四国大会へと歩を進めてきた。
しかし、明徳義塾は練習試合での敗戦から、しっかり池田の攻略法を学んでいた。「ミーテイングで『お前ら練習試合でスライダーを空振りしてたけど、コースはどうだった?』と聞いたら『全部ボールでした』と答えたので、そこを徹底させた」と話したのは、侍ジャパンU‐18代表を初の世界一に導いた馬淵 史郎監督。165センチながら、最速141キロ、ラプソード回転数2200回転の直球と、同2300回転後半をマークする120キロ後半のスライダーを駆使する池田のエース右腕・香川 大翔投手(2年)対策は万全だった。
試合は明徳義塾の狙いが当たる形で進んでいく。初回に2四球で得たチャンスを5番・髙橋 龍成内野手(2年)が先制打で返すと、2回にも1番・山畑 真南斗内野手(2年)以下、3連続適時打で計4点。7回には6回までに130球を投げた香川の疲労を突き、この試合3安打3打点の2番・矢野 心々馬外野手(2年)の2点二塁打など3点を奪った。
対する池田も1回には1死から内野安打で出塁した主将の2番・篠原 誠皓内野手(2年)が二盗。さらにワンバウンドゴーからの三塁進塁で相手捕手の悪送球を誘い同点に追いつく意地を見せた。準備してきたプレーの一端を見せたが、2回以降は130キロ前半の直球と、120キロ台のスライダーを低めに配する明徳義塾の1年生左腕・池﨑 安侍朗投手に散発4安打に封じられた。
明徳義塾は翌日の準々決勝でも、香川1位の大手前高松に8回コールドの10対3で快勝し準決勝へ駒を進めた。「2つも3つも一緒。決勝まで行かなくてはセンバツには出れない」と試合後に改めて下剋上への決意を述べた名将のターゲットは、高知県大会準決勝で苦汁を舐めた永遠のライバル・高知に向けられている。
取材・文=寺下友徳