【東京】3回戦 早大学院 vs 都立昭和
早大学院が初回に長短6安打、7点の猛攻で都立校最後の砦・都立昭和を破る
<秋季東京都高校野球大会:早大学院10ー0都立昭和(6回コールド)>◇22日◇3回戦◇江戸川区
ベスト16のチームで都立校は都立昭和だけ。都立校の期待を背負って早大学院に挑んだ一戦は、序盤で思わぬ大差がついてしまった。
都立昭和のエース・橋本 陽輝投手(2年)も、早大学院のエース・平井 大翔投手(2年)も、夏は背番号6で出場している。ともに本来は内野手だが、それだけ野球センスはあるものの、崩れた時の経験値に課題もある。1回、早大学院の攻撃で、都立昭和の橋本は、その課題を浮き彫りにしてしまった。
1回、2死一、二塁から早大学院が5番・村野 太亮捕手(1年)の左前安打で、まず1点を挙げる。続く6番・坂口 凛外野手(1年)の二塁打で2人が生還。7番・吉村 健生外野手(2年)の左前安打で坂口が還る。8番・山田 遥斗内野手(2年)の四球に続き、9番・池田 晄太郎内野手(2年)の左前安打に失策が絡み、吉村が生還。打順が一巡して、第1打席で内野安打を打っていた1番・野田 俊輔外野手(2年)が二塁打を放って2人が生還し、この回に7点が入った。2回も坂口の2打席連続となる二塁打などで早大学院が1点を追加する。
都立昭和もやられてばかりではなかった。2回は1死満塁のチャンスをつくるなど、毎回のようにチャンスを作りながらあと1本が出なかった。
すると6回に早大学院が9番・池田の三塁打などで2点を挙げ10対0。6回コールドが成立した。
早大学院の木田茂監督は「初回の点がなければ僅差の試合でした。平井も調子は悪かったです」と言う。準々決勝では創価と戦うことが決まった。1番の野田は俊足で打撃もよく、6番・坂口や、9番・池田も当たっている。ただエースで2番打者の平井や、中軸にもう少し当たりがほしいところだ。
敗れた都立昭和は大原博文監督が、「橋本が思っていた以上に成長しました」と言うように、橋本を中心に健闘をみせた。ただ、都立昭和が敗れたため、2年続けて都立勢が準々決勝に進出できなかった。部員数の減少など厳しい状況にある学校も多いが、東京の高校野球全体の盛り上がりのためにも、都立勢の頑張りを期待したい。
取材・文=大島裕史