【近畿】1回戦 京都外大西 vs 彦根総合
京都外大西が18年ぶりのセンバツ出場に前進!粘りの野球で延長戦を制す
<秋季近畿地区高校野球大会:京都外大西7ー5彦根総合(延長10回タイブレーク)>◇22日◇1回戦◇大阪シティ信用金庫スタジアム
京都1位の京都外大西が、滋賀3位の彦根総合を延長戦の末に下し、18年ぶりのセンバツ出場に前進した。
18年前の投手陣には現在は中日のエースとして活躍する大野 雄大投手がいた。そして、「大野2世になれ」と入学前に上羽功晃監督から期待をかけられてきたのが、愛知県春日井市出身の田中 遙音投手(2年)だ。
大野とタイプは違い、チェンジアップやカーブを器用に操る技巧派左腕。秋の府大会では大車輪の活躍でチームを優勝に導いた。
だが、相手は打力が武器の彦根総合。2点リードで迎えた3回には2死一、二塁から4番・後藤 悠徳外野手(2年)に左中間を破る2点適時二塁打を打たれて、同点に追いつかれてしまう。その時には「ちょっとヤバい」と思ったという。
それでも田中は、そこから粘りの投球を見せる。9回まで10安打を浴びたが、要所を締めて追加点を許さな
い。守備陣も失策を1つ記録するも「誰が見ても今日は守備が良かったです」(上羽監督)と球際に強い守備を見せて田中を支えた。
一方、打線は立ち上がりの制球に苦しんだ彦根総合先発の吉田 康清投手(1年)から2回までに2点を奪ったが、低めに球が集まり出した3回以降は、なかなか安打が生まれず、9回まで3安打に抑え込まれる。得点の糸口をつかめず、試合は延長戦に突入した。
10回表、京都外大西は8番・持田 諒真内野手(2年)が犠打を決めて1死二、三塁とすると、9番・清水 陽耀外野手(2年)のスクイズで勝ち越しに成功。さらに2死三塁から1番・谷 春毅外野手(1年)がセンターに適時二塁打を放って貴重な追加点を挙げると、そこから打線が繋がって一気に5点を奪った。
「西高は粘りが売りのチーム」と語る田中。9回まで粘りに粘った結果、相手が流れを失ったところで一気に畳みかけ、大量点を奪うことに成功した。
その裏、田中は彦根総合の反撃に遭って3点を返されるも、最後まで粘りの投球を見せ、リードを守り切ることに成功。京都外大西が激戦を制した。
昨夏までは高校通算54本塁打の西村 瑠伊斗内野手(現・ヤクルト)を擁しながら甲子園にも近畿大会にも届かなかった。それに反して、今年は西村のようなスター選手は不在。「『西村瑠伊斗を全員で越えようぜ』というのは僕らの合言葉になっている」(上羽監督)とチーム一丸となって泥臭く戦い、ここまで勝ちを積み重ねている。
2010年夏以来の甲子園を確実にするまであと1勝。「歴史がある学校なので、それを背負って頑張っていきたいです」と田中は次戦に向けて意気込んだ。