【東京】1回戦 日大一 vs 城北
伊藤悠太(日大一)
序盤の激しい点の取り合いの末、日大一が城北を振り切る
<秋季東京都高校野球大会:日大一9-8城北>◇10日◇1回戦◇江戸川区
かつて、昭和の時代には何度も甲子園出場を果たしていた日大一。しかし1988年(昭63)を最後に、平成以降の甲子園出場はない。この秋の新チームも、登録部員17人という陣容で挑むことになっている。それでも、1次ブロック予選では4校連合を5回コールドで、代表決定戦も都立大森を7回コールドで下しての本大会進出である。
私学の進学校として定評のある城北。1次予選では成城に6対3と逆転勝ちし、代表決定戦でも、都立小平にリードされながらも追いつき、延長10回タイブレークとなって6対4で勝利しての本大会進出である。
初回、城北は無死満塁から4番・岡 琉生内野手(2年)の左前打で先制する。しかし、その後は日大一の伊藤 悠太投手(2年)が3者連続三振。そしてその裏、日大一は武田 快外野手(2年)と石堂 希侑外野手(2年)の連打などでチャンスを作り、6番・伊藤 大樹内野手(2年)が遊撃手強襲の安打で2者を返して逆転。この、初回の攻防だけでも、何となく波乱含みの試合になっていくのではないかという予感はあった。
それが、3回に表れた。城北は5番・尾田 櫂大外野手(1年)の安打や髙橋 慧内野手(2年)のスクイズが安打になるなどで加点し、満塁で7番・林 凌生捕手(2年)が一掃の二塁打。さらには失策などもあって大量6点が入る。
ところがその裏、日大一は四死球などでチャンスを作り、押し出しと、7番・石森 太己内野手(2年)の適時打などで反撃。さらには、2番手としてリリーフしてきた左腕・矢澤 賢治投手(2年)に対しても失策と1番・倉田 悠平外野手(1年)の三塁線を破る二塁打に、暴投と3番・石堂の右前打などで再逆転で7点を挙げた。これは、どんな試合になっていくのかというところだったのだが、4回からは日大一の伊藤投手も城北の矢澤投手もすっかり立ち直り、試合そのものも落ち着いてきた。4回以降は、それまでとは別の試合のようなテンポで流れていった。
追いかける城北としては、何とか次のアクションが欲しいというところでもあったのだが、7回に失策絡みで1点を追い上げたにとどまった。日大一の伊藤投手は3回の6失点は別のことだったかのように、4回以降はいいリズムで投げ切った。渡邉尚樹監督も、伊藤投手を信頼して任せきったという感じだった。
ただ、日大一としても4回以降は打線は3安打散発。三塁へ進むこともならず、淡白な攻撃になってしまったことは、反省点ということになるであろう。