【奈良】3位決定戦 高田商 vs 奈良北
仲井が5安打完封!高田商が3位で3年連続の近畿大会へ
<秋季近畿地区高校野球大会奈良県予選:高田商6-0奈良北>◇8日◇3位決定戦◇佐藤薬品スタジアム
高田商が奈良北を下して3位で3年連続となる近畿大会出場を決めた。
高田商の先発はエースで主将の仲井 颯太投手(2年)。前日の智辯学園戦では4.2回を投げて14安打7失点と悔しい結果に終わっていた。
「昨日(7日)は自分のせいで負けてしまったので、今日は自分のピッチングでチームの勝利に導けたらと思って、初回からエンジンマックスでいきました」と初回を7球で3者凡退に抑える最高の立ち上がりを見せる。
守りから流れを作った高田商は1回、相手の失策で先制点を挙げると、1死二、三塁から5番・藤井 拓海(2年)の左前適時打でリードを2点に広げる。
さらに高田商は3回に1死満塁から7番・北村 晟一朗(2年)のスクイズで1点を追加。5回には2死一、二塁から8番・大前 輝青(2年)が右翼線を破る2点適時二塁打を放ち、前半から着実にリードを広げた。
反撃したい奈良北だったが、好投を続ける仲井の前に反撃の糸口がつかめない。「ブルペンの時から真っすぐが良かったので、真っすぐで押していって、そこにスライダーやカーブを挟んで相手を上手く交わしていけたらと思っていました」と仲井は緩急自在の投球で相手を翻弄。最後まで危なげない投球を見せ、5安打1四球4奪三振で完封勝利を収めた。
昨秋近畿大会8強、今夏準優勝という実績を残した高田商だが、その時にベンチ入りしたのは仲井と藤井だけ。そんな中で昨秋から主戦投手で活躍していた仲井が「自分から引っ張っていこう」と夏の奈良大会決勝で敗れたその日に新チームの主将に立候補した。
仲井はエースとしてはもちろん、打っても3番を任され、この日も3打数2安打と文字通り投打の柱となっている。だが、決して仲井に頼り切りのチームというわけでもない。守備陣は今大会5試合で無失策とバックも仲井をよく支えている。さらにこの試合では5盗塁と機動力を生かした攻撃が見られ、近畿大会でも手堅い野球を披露してくれそうだ。
昨秋の近畿大会では1勝して8強入りを果たすも今年のセンバツは惜しくも選考漏れ。あと1歩で甲子園の土を踏むことはできなかった。それだけに今回に懸ける思いは強い。
「今年は絶対に2勝して、センバツを決定するようにしたいです」と意気込む仲井。今年こそは文句なしの結果を残して甲子園への切符をつかむつもりだ。