試合レポート

【埼玉】準決勝 花咲徳栄 vs 山村学園

2023.10.05


石塚裕惺(花咲徳栄)
SCORE
花咲徳栄
山村学園
1234567891011121314
2 0 0 0 0 4 0 0 2
0 2 0 0 1 0 0 1 1
TOTAL
8
5

花咲徳栄が主砲・石塚5打点など6回一気に逆転!山村学園・西川を攻略し関東へ!

県営大宮球場の第2試合は優勝候補のAシード・花咲徳栄 vs 好左腕・西川歩(2年)を擁するBシード・山村学園との一戦。花咲徳栄 は公式戦の対戦成績で山村学園に連敗中。7連覇を止められた因縁の相手の印象を払拭することができるか。

先発は山村学園がそのエース左腕・西川、一方の花咲徳栄 は背番号11の右腕・岡山稜(2年)が登板し試合が始まる。

試合は花咲徳栄 打線が山村学園・西川のホップ成分の多い直球をどう攻略するのかに注目が集まったが、初回から捉えてみせる。

花咲徳栄 は初回、山村学園・西川の立ち上がりを攻め、先頭の齋藤聖斗(2年)がレフト前ヒットを放ち出塁すると、二死後、4番・石塚裕惺(2年)がレフトスタンドへ2ランを放ち花咲徳栄 が幸先良く先制する。

だが、2回以降は西川が立ち直り花咲徳栄 打線を無失点に抑えると、そこからはやや山村学園ペースとなる。

2点を追う山村学園は2回裏、この回先頭の田中大貴(2年)が左中間へ二塁打を放ち出塁すると、続く藤原将輝(2年)の打球はショート前でイレギュラーする。これがセンター前タイムリーとなりまず1点、さらに6番・門田琥白(1年)の打球はセカンドゴロで併殺かと思われたが、二塁送球が逸れ無死一、二塁となる。続く宮本恵介(1年)がきっちりと送り一死二、三塁とすると、8番・西川の内野ゴロの間に1点を加えすぐに2対2の同点とする。

追いついた山村学園は5回裏、この回先頭の宮本がレフト前ヒットを放ち出塁すると、続く西川がきっちりと送り一死二塁とする。ここで9番・磯心翔(1年)が右中間へタイムリー二塁打を放ち3対2逆転し前半戦を終える。

だが、6回表花咲徳栄山村学園・西川を一気に崩しにかかる。

先頭・齋藤のファーストゴロが相手エラーを誘い出塁すると、続く目黒亜門(2年)がバントの構えから揺さぶると、結局四球をもぎ取り無死一、二塁とする。さらに3番・生田目奏(2年)が
「相手が左投手で三塁側に降りてくるので狙っていた」(生田目)
と、自分の判断でプッシュバントを決め無死満塁とすると、続く石塚が右中間へ走者一掃となるタイムリー三塁打を放つ。5番・田島蓮夢(1年)もセンター前タイムリーを放つなど結局この回一挙4点を奪い一気に6対3と逆転に成功する。

それでも粘る山村学園は8回裏、6回からマウンドに上がった花咲徳栄 の2番手・上原堆我(2年)に対し、一死から5番・藤原がセンター前ヒットを放ち出塁すると、代打・吉田翔大悟(2年)がレフト前ヒットを放ち一死一、三塁とする。二死後、8番・西川がライト前タイムリーを放ち6対4とする。

2点差とされた花咲徳栄 は9回表、この回先頭の田端太貴(2年)がセンター前ヒットを放ち出塁すると、一死後、2番・目黒がきっちりと送り二死二塁とする。ここで3番・生田目、4番・石塚が連続四死球で出塁し二死満塁とチャンスを広げると、続く田島がセンター前2点タイムリーを放ち、4点差をつけ試合の体勢は決した。

山村学園もその裏、この回先頭の青木がショートへの内野安打で出塁すると、さらにショートの一塁悪送球で二塁へと進む。一死後、3番・横田蒼和(1年)がライト前タイムリーを放ち1点を返すが反撃もここまで。

結局、花咲徳栄山村学園を8対5で下し関東大会への進出を決めた。

まず山村学園だが、打線は好調でこの日も12安打を放ち、西川は粘りの投球で最後まで投げ切ったが、6回表の4失点が最後まで響く形となった。
「ボール自体の出来は良かったが制球が少し暴れた部分もあった。(ホームランは)ここ打たれるんだあ、凄いなあと。ホームランを打たれるまで緊張していたけど、打たれて吹っ切れて笑顔になれた。左打者が多くて際を攻めたらボール先行になった」(西川)
と、淡々と試合を振り返る。
「6回のエラーが大きかった。ある程度うちの野球はできたんですが、格上とやる時にああいうのがあると厳しい。とにかく相手が簡単に三振してくれないし、凡退してくれない。今回は守りに特化して戦いましたが春までに下位打線はテコ入れしたい。西川はスタミナが課題。あとは2番手以降の投手の整備ですね」(岡野監督)
と、課題は明白。春以降の巻き返しを誓った。

一方の花咲徳栄
「西川の直球はシュート回転して伸びるので、力負けするなと。石塚がいきなり行ってくれて良かった。その後下から出ていたので修正して低く低くと、彼から8点取れたのは自信になる。生田目のプッシュバントは相手の陣形を見て自分の判断でできている。ああいう所は経験値かな。今年の埼玉は左投手だということで、朝5時から西川はこうだ、大宮東・冨士大和(2年)はこうだ、上尾・飯島恒太(2年)はこうだと各左投手対策をやってきた。投手陣に関してはちょっと失点は多いけど勝たなければいけないプレッシャーの中でやっているのであんな感じかなと。長打は打たれていないので。自分が3週間U-18でいなかったことで、できていたことができなくなっていたんで、戻ってから突貫工事で猛練習でバテバテになっていたので、関東まで仕切り直しです」(岩井監督)
と、まずは順調な滑り出しを切り関東大会出場を決めた。打線に関しては既にチームとして相手投手を崩すことができており、申し分ない。あとは、投手陣が関東大会までにどこまで整備できるかが鍵だ。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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