【大学野球・仙台六大学】1回戦 仙台大 vs 宮城教育大
仙台大、「東北3連覇」へコールド発進!リーグ戦初先発の4年生右腕が5回無失点と好投
<仙台六大学野球秋季リーグ:仙台大8-1宮城教育大(8回コールド)>◇26日◇1回戦◇東北福祉大
「東北3連覇、明治神宮大会優勝」を目標に掲げる仙台大は、宮城教育大との開幕戦でコールド発進を切った。打線は中盤まで思うようにつながらなかったものの、計11盗塁と機動力でかき回し、5対1で迎えた8回には3点を奪って勝負あり。投げては3投手のリレーで1失点に抑え、危なげなく開幕白星を手にした。
仙台大の開幕投手を任されたのは須﨑 雄大投手(4年=東海大市原望洋)。これが、大学4年目の秋にしてリーグ戦では初となる先発マウンドだった。
「緊張より、楽しみとワクワクが大きかった」という立ち上がりから、ストライク先行でテンポよくアウトを積み重ねる。5回に失策と安打で1死二、三塁と、この日唯一のピンチを背負ったが、マウンドに駆け寄った同学年の坂口 雅哉捕手(4年=八王子学園八王子)と「走者がいない時と変わらず低めに投げる」ことを確認し、落ち着いて0に抑えた。5回1安打無失点。開幕投手にふさわしい、文句なしの投球だった。
下級生の頃からリリーフ陣の一角を担い、全国の舞台も経験した。今春はリリーフエースとしての活躍が期待されたが、調子が上がらず登板はわずか1試合に終わった。須﨑は「ストライクが入っても球に力がなかった」と振り返る。課題を克服するため、今夏はウエートトレーニングと増量に励んできた。体重が春より約5キロ増え、球威が向上したことで、再び結果を残せるようになってきた。
日本一を目指すチームにとって、欠かせない存在。「(大学ラストシーズンは)出し切るだけ。どんな場面でも、自分のピッチングをする」と力強く誓った。
野手陣では、プロ注目遊撃手で主将の辻本 倫太郎内野手(4年=北海)がチーム初安打と試合を決定づける2点適時打を放ち存在感を示した。今春の打点王で、この日も適時打含む2安打をマークした坂口を8番に据える打線の怖さは健在だ。
宮城教育大は先発の野口 武琉投手(2年=仙台一)が4回4失点ながら、被安打を内野安打1本にとどめる粘投を披露。アンダースローの芳賀 智也投手(1年=東北学院榴ケ岡)、リーグ戦初登板の大川口 颯月投手(1年=東北学院)も堂々たる投球を見せ、投手陣が崩れることの多かった春からの成長を感じさせた。今後の戦いぶりに注目だ。
(取材=川浪康太郎)