【甲子園】1回戦 大垣日大 vs 近江
2年春から悔しさ知る山田が投打で活躍、大垣日大・阪口監督に大きなプレゼント
<第105回全国高校野球選手権記念大会:大垣日大7ー2近江>◇8日◇1回戦◇甲子園
大垣日大(岐阜)の頼れる男が、79歳の名将に大きな1勝をプレゼントした。先発した山田 渓太投手(3年)が投打にわたって勝利に貢献。阪口監督に甲子園春夏通算40勝をもたらした。
マウンド上では躍動した。結果こそ、6回に2ランを浴びて6回途中2失点でマウンドを下りたが、昨年まで2年連続夏4強の近江(滋賀)打線を5回までは無失点に抑えた。しかも、与えた安打はわずか3本。7奪三振の好投だった。
打席では、さらなる活躍を見せた。3回の2点適時打を含めて5打数3安打3打点。投手でありながら、2盗塁も記録した。「打ってよし」「投げてよし」「走ってよし」。少々大げさかもしれないが、海の向こうで活躍する日本人のヒーローばりの大活躍だった。
甲子園では悔しい思い出しかなかった。2年春は外野手と投手兼任で出場。初戦は勝ったが登板はなく、自身がリリーフした2回戦で敗れた。今年のセンバツは先発した初戦の沖縄尚学(沖縄)戦で、満塁弾を浴びた4失点が重くのしかかり1点差の完投負け。5番打者としても無安打に終わっていた。なんとしても自分の力でチームの勝ちにつなげたい。高齢ながら指揮を執る阪口監督に笑顔になってもらいたい。山田の全ての思いが、バットに、投球に乗り移ったに違いない。
夏は5年ぶりの白星。山田をはじめ、2年春からレギュラーが多い大垣日大ナインが、甲子園での豊富な経験を武器に、これまでの夏甲子園最高成績2007年8強超えを目指す。
近江は悔しい結果に終わったが、新チームへの手応えはつかんで甲子園を後にした。
4番手で登板した西山 恒誠投手(2年)が2回を投げて1安打無失点に抑えた。右肩の関節の柔らかさがうかがえる、しなるような腕の振りから、140キロ以上の直球で打者を押し込んでいた。お手本のように肘が前に出るフォームで、直球だけでなく、スライダーなどの変化球にも切れが生じていた。来年春のセンバツで再び聖地のマウンドを踏むことを期待したい。