【甲子園】1回戦 花巻東 vs 宇部鴻城
チーム打撃に徹した佐々木麟太郎、次は豪快な1発に期待
<第105回全国高校野球選手権記念大会:花巻東4ー1宇部鴻城>◇8日◇1回戦◇甲子園
花巻東(岩手)の注目スラッガー、佐々木 麟太郎内野手(3年)が最後の夏甲子園初戦で、3安打の猛打賞の活躍を見せた。
1回の第1打席は左前安打。すべて内角への球だったが5球目の内角低めの直球をおっつけるようにして三遊間へ技ありの一打を見せた。
4回無死二塁で迎えた第2打席は2球目だった。やや内角寄りの低めの変化球をまたも引っ張らずに左中間へ。引っ張る意識を押し殺すように、先制打にしてみせた。その後、打線がつながりこの回に一気に3得点。集中打の火付け役となってみせた。
5回2死二塁で迎えた第3打席は申告敬遠だったが、7回の第4打席では内角高めのややボール気味の初球をたたいて三塁への内野安打。この日の3安打はすべて内角球をたたいての「逆方向」だった。
相手バッテリーの執拗な内角攻めにも無駄に引っ張ることもせずに、大きい打球を狙わず、チームの勝利を優先させるような打撃に徹した。誰よりも長い夏にしたい。そんな思いを込めたようなバッティングで、チームを8年ぶりの甲子園勝利へと導いた。
球を十分に引きつけることができたことで、今後は本来の打撃を発揮できるかもしれない。2回戦はクラーク記念国際との対戦が決まった。高校通算141本塁打目は、やはり甲子園で見たい。
宇部鴻城(山口)の先発・浅田 真樹投手(3年)は多彩な変化球を操る好投手だったが、花巻東打線がコンパクトに振り抜いて低めの変化球でも対応していた。その一方、2番手で登板した松成 乃馳投手(2年)は、小気味いいフォームで直球でグイグイ押すタイプ。140キロを超える速球で2.1回を投げ3三振を奪った。佐々木麟には三塁への内野安打を許したが、真っ向勝負で内角を攻めていた。秋からの新チームの柱になることは間違いない。