【東東京】準々決勝 城西大城西 vs 実践学園
<第105回全国高校野球選手権東東京大会:城西大城西9ー2実践学園(8回コールド)>◇26日◇準々決勝◇神宮
実践学園も城西大城西も22日に5回戦を戦い、中3日で準々決勝を迎えた。「休むことはできますが、気持ちの持っていき方が難しかったですね」と城西大城西の安保隆示監督は言う。
城西大城西は溝口 博斗投手(3年)、実践学園は林 恭佑投手(2年)と、ともに背番号11の投手が先発した。最初から継投を前提にした投手起用だけに、交代の時期も重要になってくる。
試合は序盤から城西大城西がコツコツと試合を動かしていく。1回、城西大城西は、敵失と死球などによる1死一、二塁のチャンスで4番の清藤 大生内野手(3年)の左前適時打で1点を先制する。2回は4四死球で押し出しの1点を加える。
城西大城西の先発・溝口は、1回、2回と安打を打たれながらも無失点に抑えていたが、3回、実践学園は、この回先頭の9番・浦 大起内野手(3年)が二塁打を放ち、2番・工藤 大和内野手(3年)の二ゴロが敵失となる間に浦が生還して1点を返す。さらに3番・小林 彪矢外野手(3年)が中前安打を放つと、城西大城西は、投手を溝口からエースの馬場 力也投手(3年)に交代した。溝口、馬場の2枚看板である城西大城西としては、かなり早いエースの投入となったが、安保監督は馬場の状態がいいことに手ごたえを感じており、ある程度、確信をもっての馬場の投入であった。実際に馬場の投球は安定しており、攻守にリズムが出てきた。
3回、城西大城西は、中前安打の4番・清藤が二盗し、それが捕手の悪送球を誘って三塁に進み、6番・梶 幸太郎外野手(3年)の右犠飛で生還して1点を追加。4回は馬場自らが二塁打を放ち、1番・松本 大成捕手(2年)の左前安打で生還する。城西大城西は毎回1点ずつを細かく刻んでいく。ただもう少し得点することができた回があったのは確かで、なかなか突き放せない状況にあった。
4回、実践学園は1死一塁から3番・小林、4番・土屋 太一内野手(3年)の連続安打で満塁とし、5番・長谷川 巧磨捕手(2年)の遊ゴロの間に1人生還し1点を返した。しかし実践学園の反撃もここまでで、馬場に抑えられる。
実践学園は4回以降、細かく投手をつないで、城西大城西[/te
am]の攻撃を食い止めようとするが、なかなか功を奏しない。5回は2死球の走者が二、三塁に進み、馬場は、今度は左前安打で2人を返す。馬場は投手だが打撃も好きで、この試合の前も、自ら買って出て打撃練習をしていた。
城西大城西は6回にも1点を追加。8回は2四死球で走者を出し、遊失で1点が入り、最後は7番・宮川 虎大内野手(3年)の中犠飛で、三塁走者の清藤が還り9対2と8回コールドが成立した。
実践学園のベテラン・網代潤一監督は、「ピッチャーの差が出ました」と語る。やはり城西大城西の2番手として登板し、試合を引き締めた馬場の存在が大きかった。それでも馬場は、「思ったところに球が行きませんでした」と厳しい評価をしていた。横手投げからスリークォーターにフォームを変え、球威が増し、制球も安定してきた。今後も厳しい戦いが続くが、整骨院で肩、肘のケアをしたり、酸素カプセルに入ったりして調整している。酸素カプセルには1時間ほど入るが、その間も対戦相手の映像を見るなど対策に余念がない。
なお24日に亡くなった巨人、西武でプレーし、浦和学院のコーチも務めた三浦貴氏は、浦和学院でコーチや部長を歴任した安保監督にとっては、「彼が担任で、僕が副担任ということもありました。一緒にやってきた仲間です」という存在であり、「彼の思いも持って戦いたい」と安保監督は語る。城西大城西が準決勝に進出するのは1985年以来のこと。東亜学園と決勝進出をかけて戦う。