【西東京】準々決勝 早大学院 vs 佼成学園
勝利の瞬間の早大学院・岡村遼太郎
<第105回全国高校野球選手権西東京大会:早大学院3ー0佼成学園>◇24日◇準々決勝◇神宮
ここまで猛暑の中で激しい戦いを繰り広げ、準々決勝のこの日も朝から猛烈な暑さ。佼成学園の藤田直毅監督は、「お互いにいっぱいいっぱいだったと思います」と語る。
そうした中で両チームの投手が気迫の投手戦を繰り広げた。早大学院の岡村 遼太郎投手(3年)は、体は大きくないが、体を躍動させ、力強い球を投げる。対する佼成学園の先発、左腕・石井 碧海投手(3年)は、緩急をつけた投球で対抗する。石井は細身ではあるが、昨秋に比べると、かなりたくましくなった。
早大学院のチャンスといえば3回1死後、1番・野田 俊輔外野手(2年)が二塁打を放った場面くらいだが、後続が続かない。佼成学園も3回に8番・石井の中前安打と敵失で1死一、二塁のチャンスをつかんだが、やはり生かすことができなかった。
佼成学園は7回からエースの林 晃大投手(3年)を投入。140キロ台半ばの速球などで、その回の早大学院の攻撃を抑える。岡村が1人で踏ん張る早大学院に対し、石井、林とつないだ佼成学園。終盤は佼成学園が有利かと思われた。7回は、内野安打の7番・原島 響捕手(2年)が三塁まで進んだが得点できず、8回はこの回先頭の2番・本池 卓也内野手(3年)が中前安打で出塁すると、3番・吉岡 真玖外野手(3年)が送り、4番の松本 幸士外野手(3年)は申告敬遠で一、二塁としたが、後が続かなかった。
9回、早大学院はこの回先頭の4番・佐藤 寛也外野手(3年)が内野安打で出塁し、その後2人の犠打が続けて敵失を誘い無死満塁となる。続く途中出場の7番・平井 大翔内野手(2年)に対し、佼成学園の林はストライクが入らず、四球で押し出し。四球を選んだ平井は、思わず飛び上がってガッツポーズし、早大学院に待望の1点が入った。さらに1番・野田のこの試合2本目となる二塁打でさらに2点を追加した。
この回の投球について佼成学園の林は、「制球が定まりませんでした。マウンドがちょっと硬かったですが、打たれたことの言い訳にはなりません」と語った。
9回、本来は中軸を打つ選手であるが、負傷のため控えに回っていた主将の涌嶋 陽太内野手(3年)が代打で登場し、執念の右前安打を放ったが、反撃もここまで。3対0で早大学院が勝ち、2010年以来の準決勝進出を決めた。
試合後、早大学院の選手が本塁上に整列して、早大学院の校歌でも早稲田大学の校歌が流れた。「いいもんですね」と早大学院の木田茂監督は語る。タイトなスケジュールの中、エースの岡村を酸素カプセルに入れて備えてきたという。準決勝は27日、日大鶴ケ丘と対戦する。
一方、佼成学園は1、2年生の多いチームだ。そして来年は、佼成学園が西東京大会の初代王者として甲子園に行って50年になる。来年に向けての戦いを期待したい。