4回戦 日本ウェルネス東京 vs 都立小山台
11回、日本ウエルネス・神﨑順 古館の犠飛でサヨナラ
<第105回全国高校野球選手権東東京大会:日本ウェルネス東京4ー3都立小山台(延長11回タイブレーク)>◇20日◇4回戦◇江戸川区
日本ウェルネス東京と都立小山台の一戦は、日本ウェルネス東京の辻口 輝投手(3年)が身長193センチの長身から角度のある速球を投げ込めば、都立小山台の武藤 健真投手(3年)は、低めを丁寧に突く投球で日本ウエルネス打線を抑え、0対0の均衡が続く、緊迫感のある投手戦になった。
5回が終わり、両チーム2安打ずつの無得点という全く互角の展開。均衡が破れたのは、5回終了後の休憩時間が終わった後の6回だった。2死一塁から日本ウェルネス東京の3番・佐藤 奏太外野手(3年)の右前安打で一、二塁とした後に重盗に成功。4番・神﨑 翔捕手(3年)の左前安打で1点が入った。
日本ウェルネス東京は辻口が好投しているだけに、この1点は大きかった。しかし勝負は終盤に波乱が待っていた。9回この回先頭の都立小山台の2番・加賀屋 京介内野手(3年)は辻口の力のある球に三振に倒れる。続く3番・松村 望来内野手(2年)、4番・松崎 隆也外野手(3年)の連続安打で、一、二塁とする。5番・池田 澄季内野手(3年)は三ゴロに倒れたかと思われたが、三塁手の一塁悪送球で松村が還り9回に同点に追いつく。味方の失策で同点に追いつかれ、なおもピンチが続いたが、辻口は冷静さを失わず後続を打ち取り、試合は延長タイブレークに突入した。
無死一、二塁から始まるタイブレークで、10回表、都立小山台は8番・武藤から始まる。武藤はきっちり送り、続く代打・村山 駿介内野手(3年)の左前安打で1点を勝ち越す。さらに1番・里山 潤外野手(2年)の二塁打で1点を追加する。ただなおも1死二、三塁のチャンスが続く都立小山台にすれば、もう1点は欲しかったところだ。日本ウェルネス東京は投手を清水 優雅投手(3年)に代える。清水は2番・加賀屋、3番・松村をフライに打ち取った。
その裏、日本ウェルネス東京は、やはり8番の清水から始まり、清水はしっかり送る。そして途中出場の9番・川﨑 城外野手(3年)の右犠飛で1点差に迫り、1番・神﨑 順内野手(3年)の左前安打で同点に追いついた。
延長11回表、都立小山台は無得点に終わる。その裏、日本ウエルネスは途中出場の3番・内田 翔貴内野手(2年)がしっかり送り、日本ウェルネス東京としては最も期待できる4番の神﨑翔が打席に立つが、ここは申告敬遠で満塁となる。けれども満塁だけにストライク先行でいかざるを得ず、5番・古館 侑士内野手(3年)は1ボール1ストライクからの3球目をたたきライトフライ。これが犠飛になり、日本ウェルネス東京が逆転勝ちした。
日本ウェルネス東京のベテラン・磯口洋成監督は、「負けを覚悟しました。夏の大会は甘くないです」と語る。この試合好投した辻口は、「真っ直ぐのキレが良かった」とこの日の投球を振り返る。高校に入った時は185センチほどだった辻口の身長は193センチに伸び、磯口監督の指導もあり、球速も大幅にアップした。体の成長期はまだ続いているそうで、まだこれから球速なども上がっていくだろう。その前に夏の大会である。5回戦は22日、シード校の東京成徳大高を破った実践学園と対戦する。
なお都立の強豪・小山台は、秋は1次予選で敗れ、春は都大会の1回戦で敗れるなど、結果を残せない代であった。それでも、上位校と遜色のない力のあるチームを作ってきた。またいいチームを作って、東京の高校野球を盛り上げてほしい。