京都成章vs大谷
1失点完投勝利を収めた田崎脩太(京都成章)
エース・田崎が復活の1失点完投!京都成章が大谷を下す
<第105回全国高校野球選手権京都大会:京都成章6-1大谷>◇12日◇2回戦◇あやべ・日東精工スタジアム
6年ぶりの甲子園を目指す京都成章が苦戦しながらも初戦を突破した。
1回、安打と相手の失策から無死一、三塁のチャンスを作ると、3番・鳴坂 颯友外野手(3年)の中犠飛で1点を先制。その後も2死満塁と追加点の好機は続いたが、大谷の先発・登田 樹念投手(3年)が踏ん張り、1点止まりに終わる。
2回以降は登田が緩急を上手く使い、走者を出しながらも粘り強い投球で京都成章に追加点を許さない。一方、京都成章先発の田崎 脩太投手(3年)は武田勝(元日本ハム)の投球フォームを彷彿させる左腕。「序盤は真っすぐが良かったので、押していける自信があった」と伸びのある直球を主体にチェンジアップやカーブで上手くタイミングを外し、5回までスコアボードに0を並べた。
しかし、6回2死三塁のピンチを招くと、4番・細川 倖平内野手(3年)に左越え適時二塁打を浴びて同点に追いつかれてしまう。なかなか追加点を取れない展開中で追いつかれ、京都成章にとっては重苦しい展開となった。
だが、その直後に打線が目覚める。7回に2死三塁のチャンスを作ると、ここまで3打数3安打の4番・寺地 悠太郎外野手(3年)に打席が回る。「しっかりストレートを張って、それを思い切って振れたのが一番良かった」と2ボールからの直球を振り抜くと、ライナーで左翼手のグラブを弾く適時打となり、勝ち越しに成功した。
再びリードを奪った京都成章は8回と9回に2点ずつ追加。田崎は終盤になっても球威は衰えず、119球を投げて8安打1四球1奪三振で1失点完投勝利を収めた。
エースらしい投球を見せた田崎だが、春先は苦しんだ。春の府大会では京都国際戦に先発するも6回10失点。「1週間くらいは投げたくない」と落ち込み、5月は左肩の炎症にも悩まされた。その影響で腕の位置をやや下げるなど試行錯誤もあったが、夏の初戦で見事に復活。「春以降は色んな面で崩れていましたが、最後の夏に戻ってきてくれていました。投げ切ってくれたのは大きい」と松井常夫監督はエースの復調に安堵した。
投打の柱が活躍して初戦を突破した京都成章。次戦に向けて弾みがつく勝利となった。