龍谷大平安vs京都共栄
センバツ16強の龍谷大平安が京都共栄に逆転勝ち
4回表に同点の適時打を放った松浦玄士(龍谷大平安)
<春季高校野球京都府大会:龍谷大平安8ー4京都共栄>◇8日◇準々決勝◇わかさスタジアム京都
センバツ16強の龍谷大平安が京都共栄に逆転勝ちして4強入りを決めた。
龍谷大平安は1回、1番・白石 力翔外野手(3年)がレフトへの二塁打で出塁すると、2番・植田 元喜内野手(3年)の犠打で1死三塁とする。ここでU-18日本代表候補選手強化合宿に参加した主将の3番・山下 翔梧内野手(3年)が中前適時打を放ち、幸先良く先制点を挙げた。
対する京都共栄はその裏、1番・大泉 遥汰(3年)が龍谷大平安の先発・小坂 駿佑投手(3年)の初球を捉え、左翼席に飛び込む先頭打者本塁打ですぐに同点とする。さらに3回には連打で1死二、三塁のチャンスを作ると、4番・野本 大雅内野手(2年)の遊撃ゴロの間に三塁走者が生還して勝ち越しに成功した。
リードを許した龍谷大平安だが、すぐに反撃する。直後の4回に1死満塁のチャンスを作ると、8番・松浦 玄士捕手(3年)が投手強襲となる適時内野安打を放ち、同点に追いつく。さらに2死満塁から白石の中越え3点適時二塁打で勝ち越し。センバツ出場校が鮮やかな逆転劇を見せた。
だが、京都共栄もこのままでは終わらない。4回に無死一塁から7番・吉見 大内野手(3年)の左翼線を破る適時二塁打で1点を返すと、その後、無死一、三塁となったところで龍谷大平安はエースの桒江 駿成投手(3年)を投入する。それでも勢いに乗る京都共栄は9番・佐々木 舶翔内野手(3年)の左前適時打でさらに1点を加え、1点差に詰め寄った。
このまま再逆転といきたい京都共栄だったが、5回以降は桒江の前に得点を奪うことができず、守備の乱れから失点を重ねて徐々に点差を広げられてしまう。9回には2死満塁のチャンスを作ったが、最後は野本が三振に倒れて無得点に終わった。
昨年9月に就任し、今大会が初采配となった木谷 忠弘監督は、「力の差は大きいと率直に大きいと思います。一つ一つのプレーの精度を改めて訓練していきたい」と夏に向けて気を引き締めていた。昨春に赴任してから指揮を執るのは今大会が初ということもあり、手探りの戦いになったようだ。2013年夏に西脇工を甲子園に導き、今年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)優勝メンバーである巨人・大勢投手(西脇工出身)を育成した実績を持つ木谷監督。今後の手腕に期待がかかる。
今大会での収穫は4試合で28点を奪った打線。「点を取られた後に取り返すことができたのは秋になかった部分。トレーニング中心にやってきた成果で打力が上がっていると感じます」と主将の河波 憲伸(3年)は冬場の練習の成果を実感していた。木谷監督になってからトレーニングの量が増え、それが得点力の向上という結果に表れている。シード校として戦う夏は要注目の一校となりそうだ。
(記事=馬場 遼)