明和県央vs高崎商大附
147キロ右腕vs146キロ左腕 もう1つの群馬大会準決勝はハイレベルな投手戦に
須藤 奨太と星野 空
<春季高校野球群馬県大会:明和県央3ー1高崎商大附>◇4日◇準決勝◇高崎城南
明和県央が2季連続の関東大会出場を決めた。5回表、3番・粕川 修一郎外野手(3年)の三塁打で1点を先制。さらに6回、6番・水澤 晃平外野手(3年)の適時三塁打で2点目を入れた。高崎商大附は1点差に迫るが、明和県央は9回にも犠飛で貴重な1点を入れ、3対1とした。この2点リードを守りきり、昨秋に続き、決勝進出を決めた。
この試合を振り返ると両エースの好投が光った。
高崎商大附の147キロ右腕・星野 空投手(3年)は、3回途中のピンチからリリーフ登板した。体全体をうまく使った投球フォームから常時140キロ〜145キロ(最速147キロ)をマークした速球は球威があった。直球1本で押し切れるほどの精度の高さがあった。回転数の高さ、回転効率も高いタイプなのだろう。ぐっと伸びる球筋で、ほとんどが140キロを超えていた。ややスピードが出やすい[stadium]高崎城南球場[/stadium]のスピードガンとはいえ、それでも目をみはるものがあった。
しかし、その直球を狙われ、3失点。直球主体の投球になったことについては「スライダーが抜けてしまって、下手に投げるよりは直球勝負でいったほうがよいかと。ただ、それを狙われてしまいました。直球を磨くのはもちろんですが、夏までに変化球で勝負できるようになりたい」と課題を語った。
打撃センスも高く、明和県央の146キロ左腕・須藤 奨太投手(3年)からもヒットを放った。投打ともに才能の高い逸材で、夏まで注目していきたい。
明和県央の須藤も好投手だった。昨秋の関東大会では、専大松戸にコールド負けし、常に指導者から、この負けのことを言われ続けてきた。
「悔しくて、悔しくて、それをバネに冬の練習に取り組んできました」と日々のトレーニングに取り組んだ。
目の色を変えて取り組めば、一冬でこれほど変わるのかというのかぐらい、キレのいい直球を投げ込んでいた。
がっしりとした体型だが、抜きどころを知っている投手で、フォームに力みがない。右足を上げた時の安定感、開きが抑えられた動き、鋭い腕の振りと、技術的にもしっかりしている。常時137キロ〜144キロをマークし、最速は146キロを計測。高崎城南球場のスピードガンは確かに出やすいとはいえ、それでもここぞという場面に投げ込む直球はドラフト候補と思わせるものがあった。110キロ前後のスライダー、チェンジアップ、100キロ台のカーブも投げられ、緩急を使った投球もできていた。
マウンドの姿は、ソフトバンクなどで活躍した大隣 憲司投手(京都学園出身)を思い出させる。7回まで投げて1失点。間違いなく評価を高めた投球だった。
群馬大会決勝を残しているが、関東大会ではスカウトが注目する逸材に入ったのは間違いない。
(取材=河嶋 宗一)