彦根東vs八幡商
彦根東が伝統校の八幡商に7回コールド勝ち!大黒柱の山田が投打に活躍
先発して6回3分の1を投げて2失点と好投した山田幹太(彦根東)
<春季高校野球滋賀県大会:彦根東9-2八幡商(7回コールド)>◇22日◇1回戦◇HPLベースボールパーク
昨秋は近江を下し、センバツに出場した彦根総合と延長15回の激闘を繰り広げた彦根東。春の初戦となったこの日も伝統校の八幡商相手にコールド勝ちを収め、改めて強さを印象づける試合となった。
チームの大黒柱は主将を務める3番投手の山田 幹太(3年)だ。最速141キロの速球を投げる本格派右腕で、投球術にも長けている。さらに「バタバタせずにいつもニコニコして投げている」(松林 基之監督)と精神力の強さも高く評価されている。
この試合でも山田は投打で力を発揮した。1回に1死二塁で打席が回ると、左前に適時打を放ち、チームに先制点をもたらす。彦根東はその後、1死一、三塁とチャンスを広げると、5番・諸田 大晴(3年)の中犠飛で追加点を挙げた。
その裏、マウンドに上がった山田は、「序盤は真っすぐとスライダー中心でいこうと思っていました」と130キロ台後半の直球とスライダーを軸に安定した投球を見せ、三者凡退と上々の立ち上がり。3回に不運な安打からチャンスを広げられて2点を失ったが、安打を許したのはこの回だけだった。
中盤以降は100キロ台のカーブも上手く織り交ぜながら的を絞らせないと投球を見せ、6.1回を投げて、3安打2四球5奪三振の好投。6回には球場のスピードガンで140キロを計測し、投打で力を発揮した。
「ストレートが浮いてしまって無駄な四球があったので70点」と決して満足はしていなかったが、強風が吹く難しいコンディションの中でも安定したパフォーマンスを見せた。文武両道を実践する彦根東らしく、進路は国公立大への進学を希望しており、進学先での活躍にも今から期待したくなってくる。
彦根東は山田の活躍に留まらず、各打者がエンドランやスクイズを要所で決めるなど、伝統のきめ細かい野球は健在だった。山田の負担を減らしながら勝ち進むことができれば、夏は2018年春以来となる甲子園出場も現実味を帯びてくるだろう。
コールド負けを喫した八幡商も先発した長身右腕の大﨑 仁投手(2年)や142キロを計測した川﨑 逸翔投手(3年)など、今後が楽しみな選手が多く、夏への巻き返しを期待したい。
(取材=馬場 遼)