聖パウロ学園vs大森学園
終盤の3点を守り切った聖パウロ学園が大森学園に勝利
原田 翔奈冬（聖パウロ学園）
〈春季高校野球東京都大会：聖パウロ学園7ー5大森学園〉◇16日◇4回戦◇駒沢
試合はどちらが勝ってもおかしくない試合だったが、後半に3点を取り、逃げ切った聖パウロ学園が勝利を収めた。
聖パウロ学園は1回、4安打を放ち3点を取った。しかし大森学園も2回、2安打で1点を返し簡単に相手に流れを渡さない展開で、6回までは4対2と聖パウロ学園がややリードしていた。
しかし、大森学園は7回、2死から2番・木倉 悌内野手（3年）が中前打で出塁し、盗塁とバッテリーエラーなどで2死三塁になり、3番・籾山 寛大外野手（3年）の内野安打で1点を追加。続く打者は四球を選んだ後、5番・岩本 凰楽外野手（3年）が中前打を放ち、後半でついに試合を振り出しに戻した。
それでも、聖パウロ学園は8回、安打、四球、相手のミスなどで3点を奪う。9回は大森学園に3安打などで1点取られるも、その後を踏ん張り7対5で勝利を収めた。
大森学園の2番手、エースの湯川 翔太投手（3年）は3失点も、球威のある直球と縦気味に落ちるスライダーが魅力的だった。
投球フォームはゆったりと足を上げ、ヒールアップし、一気に打者に向かって並進運動をして投げる。リリースも低く打者の手元で伸びる感覚がある。打者も球の下を振っていた印象だった。
聖パウロ学園先発のエース原田 翔奈冬投手（2年）は125キロ前後の直球と変化球のコントロールが良く、打たせて取ることも、ここぞという場面では三振も取れる。6回2死まで投げ、マウンド捌きは2年生と思えないほど軽快だった。
試合後、大森学園の石黒監督は「記録上、エラーは0でしたけど、3つほどあったので守備面の課題点が見つかった。打撃面では安打は出てたので少ないチャンスでの確実性を求めたい」と語った。エース湯川に関しては「球自体は良かった。でも、考え方で自分自身をダメにしてしまうので自信を持って投げてほしい」と夏までの成長を願った。
聖パウロ学園の勝俣監督は「相手投手の湯川くんがなかなか攻略できず、中盤とても苦しいと感じてたんですが、なんとか終盤で3点取れて苦しい中での追加点だったので、それはチームとして成長だと思います。勝ち進めばこのような試合が多くなるため一点一点確実に取りにいきたい」と語った。
8強進出を果たした聖パウロ学園は、2016年夏の西東京大会ではベスト8に入っている。準々決勝は東海大菅生と関東一の勝者との戦いになる。これまで以上に厳しい戦いが、予想されるが聖パウロの快進撃を期待したい。
（取材＝鎌田 光津希）
