仙台大vs東北工業大

代打で2点適時打を放つ仙台大・三原力亞

＜仙台六大学春季リーグ戦：仙台大10-2東北工業大＞◇8日◇第1節◇東北福祉大野球場

　仙台六大学野球春季リーグ戦が8日、開幕した。第1試合では、仙台大と東北工業大が対戦。昨秋全勝優勝の仙台大に、最下位に沈んだ東北工業大が挑んだ。最終的には仙台大が10対2で大勝を収めたが、中盤まではどちらが勝つか分からない息の詰まる展開となった。

　仙台大は、いずれもリーグ戦初登板となった先発左腕・南勝樹投手（3年＝白鷗大足利）と2番手右腕・元木悠馬投手（3年＝山形工）が試合をつくる。南は球速こそ130キロ台にとどまったものの、抜群の制球力でコースを突き3回1失点。4回から継投した元木はキレのある変化球を武器に東北工業大打線を抑え込んだ。

　5回まで無得点だった仙台大打線が目を覚ましたのは、1点を追う6回。2番・小田倉啓介内野手（3年＝霞ヶ浦）、3番・辻本倫太郎内野手（4年＝北海）の連打で好機をつくると、その後一死満塁とし、6番・伊藤颯内野手（3年＝鶴岡東）が左前打を放つ。三塁走者・小田倉が生還し同点、さらに二塁走者・辻本の好走塁も光り、逆転に成功した。

　この回は代打・三原力亞外野手（4年＝聖光学院）の2点適時打も飛び出し4得点。7回以降は坂口雅哉捕手（4年＝八王子学園八王子）のソロ本塁打などで毎回得点を記録し、終わってみれば13安打10得点と開幕戦から打線が機能した。

　リードを奪った後は元木が7回にピンチをつくって降板するも、ジャクソン海投手（4年＝エピングボーイズ）、樫本旺亮投手（2年＝淡路三原）の継投で反撃を阻止。5回まで苦戦しながらも快勝した開幕戦を終え、主将の辻本は「リーグ戦初登板の南と元木が踏ん張ってくれて、経験のある野手陣が我慢強く戦った結果、勝つことができた。まずまずのスタートは切れたと思う」と手応えを口にした。選手層の厚さと昨秋の経験を生かした白星だった。

　東北工業大も投打に持ち味が光った。先発・後藤佑輔投手（3年＝仙台育英）は試合序盤から快投を披露。昨秋は140キロ前後の直球を主体とした投球で活躍した左腕だが、この日は直球はもちろん、チェンジアップなどの変化球も多投し仙台大打線を翻弄した。初回をわずか4球で三者凡退に抑えると、5回まで3安打1死球無失点の好投でスコアボードに0を連ねた。

　野手陣では、1年次から4番に座る佐久間永翔内野手（2年＝白石工）が元木から特大のソロ本塁打をマーク。チームとしては連打で好機をつくる場面もあり、主将の菅原仁平内野手（4年＝仙台商）は先制打を含む2安打3出塁としぶとい打撃を見せた。また守備面でも失策0と奮闘。昨年とは一味違う東北工業大の、今後の戦いぶりに注目だ。

（取材＝川浪康太郎）