都立小山台vs淑徳巣鴨
都立小山台が新戦力の加賀谷、小原の活躍もあり、5回コールドの圧勝
小山台2番・加賀谷京
<春季都大会1次予選:都立小山台11ー0淑徳巣鴨(5回コールド)>◇19日◇代表決定戦◇桐朋高校グラウンド
淑徳巣鴨は都大会出場をかけた代表決定戦からの登場。今年最初の公式戦の相手が都立小山台というのはやや荷が重かった。
1回表、都立小山台の1番・池田 澄季が三塁打を放つと、2番・加賀谷 京介の右前安打で都立小山台があっさり先制する。さらに3番・松崎 隆也の内野安打に犠打やエラーが重なり、この回4点を入れる。
都立小山台は武藤 健真、熊谷 朋紀の2枚看板。「2人、どちらでも大丈夫ですが、武藤の方が場慣れしている分、安定感があります」と、ベテランの福島正信監督は語る。
武藤は武蔵府中シニアの出身。1回表を三者凡退で切り抜けると、2回、3回、4回は1安打ずつ打たれたものの、危なげのない投球で得点を許さない。
淑徳巣鴨の先発、左腕の宮西 聡史は、立ち上がり抜けるような球が多かったが、2回以降は球がしっかりかかった力のある球を投げるようになり、2回、3回と得点を許さない。
しかし4回表2死一塁から都立小山台の2番・加賀谷を四球で出すと、3番・松崎、4番・村山 駿介の連打に、岩永 悠汰が敵失、6番・常盤 幸司の二塁打、7番・小原 佑斗の右前安打などでたたみかけ、この回6点を挙げた。5回表にも1点を追加し、11対0。都立小山台が投打に淑徳巣鴨を圧倒した。
敗れた淑徳巣鴨の影山琢監督は、「実力の差はありましたが、気持ちの面に問題があり、力を出せませんでした。守備の練習も力を入れてきましたが、ミスが出ました。経験値が足りません」と語った。今後夏に向けて、実戦経験を積みながら、鍛え直すことになる。
都立小山台は試合に出たメンバーは全員が新3年生。その中で、「セカンドとショートの子が伸びた」と福嶋監督は語る。秋は試合に出ることができなかった2番で遊撃手の加賀谷も、7番で二塁手の小原も、この試合はともに2安打の活躍。攻守に厚みをもたらした。5回には熊谷も登板し、力のある球を投げていた。昨夏8強のメンバーが抜け、秋は苦しんだが、この春はしっかり立て直してきた。都大会では修徳がシードされたブロックに入る。試合会場の桐朋から国立駅に行く道すがら、都立小山台の野球部員が、「初戦の駒場学園もそうだけど、立正大立正も強い」といったことを話しながら歩いていた。都大会では確かに強豪の集まるブロックに入った。このブロックを勝ち抜き、夏のシード校となるベスト16以上の成績を残すことができるか、注目だ。
(取材=大島 裕史)