聖光学院vs九州学院
聖光学院の打力は本物、自慢の右打者が左投手を攻略
赤堀颯(聖光学院)
トーナメント表
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<第104回全国高校野球選手権大会:聖光学院10-5九州学院>◇18日◇準々決勝◇甲子園
聖光学院(福島)が1回に鮮やかな集中打を見せ、一気に逆転して勝負を決めたといっていい。1回表、九州学院(熊本)が1点を先制した。1番が安打で出塁して3番がかえすという電光石火の先制点だった。その勢いを止めるどころか、試合の勝敗さえも決めてしまったのが、1回裏の聖光学院の攻撃だった。
九州学院の先発は左投手の桑原 颯汰投手(3年)。3回戦で完封した2年生右腕エースの直江 新投手ではなかった。この左投手に襲い掛かったのが、聖光学院の右打者たちだった。
1回裏、1番の赤堀 颯内野手(3年)が中前安打で出塁してバント安打と犠打で作った1死二、三塁から、三好 元気外野手(2年)が左中間へ2点適時打を放ってあっさり逆転した。死球のあと、バント安打で満塁とすると犠飛で1点を加え、生田目 陽内野手(3年)が中前適時打を放った。9番打者が四球を選び、1回から打者一巡したが、最初の9人の5安打(内バントヒット2本)はすべて右打者だった。九州学院の先発左投手に対して、右打者がしっかり仕事をした。先制パンチを食らいながらも、数倍にして返してみせた。
自慢の1番赤堀、2番高中 一樹内野手(2年)は、この日も2人で8打数3安打3得点。大会通算打率は赤堀が.473で、高中は.615。2人とも4試合連続安打中で、高中は4試合すべてマルチ安打をマークしている。この2人の右打者の勢いは止まりそうもない。
福島県勢として51年ぶりの4強。聖光学院としてはもちろん初の4強になる。勢いだけではなく、頂点をつかめる実力があることを証明してみせた。あとは全国制覇という悲願達成に突き進むだけだ。
九州学院の大砲、4番・村上 慶太内野手(3年)は4打数無安打で最後の夏を終えた。兄であるヤクルト村上 宗隆内野手(九州学院出身)ばりの猛打爆発とはいかなかったが、初戦敗退だった兄を超える甲子園の打席を経験した。次のステージで生かされることを期待する。チームも5点差で敗れたが、ホームランを含む10安打を放った。胸を張って地元に帰ってほしい。
(記事=浦田 由紀夫)